プーチン政権が4つの州の一方的な併合を正式に決めたことに対して、ウクライナ側は領土を奪還する構えを強調し、東部ドネツク州の要衝リマンの奪還に続き、東部の他の地域や南部ヘルソン州などで反転攻勢を続けています。
イギリス国防省の分析によりますとウクライナ軍は、ロシアが全域掌握を宣言した東部ルハンシク州で、ロシアが補給の拠点としている街に向けて前進し、補給能力にさらに圧力をかけていると指摘しています。
そして「ルハンシク州はプーチン政権が併合を宣言したばかりで、ウクライナ軍の部隊が迫っていることに対しロシアの指導部は懸念を強めているとみられる」と分析しています。
こうした中、ロシアのメディアは東部ハルキウ州の軍事侵攻を指揮していたロシア軍の司令官が交代したと伝えていて、先月、ウクライナ軍の反撃によってハルキウ州の大部分を失ったことから、事実上の更迭と受け止められ、ロシアでは軍部批判も表面化しています。
プーチン大統領 “ウクライナ4州の併合定めた文書”に署名
ロシアのプーチン大統領は4日、ウクライナの東部や南部の4つの州を併合すると一方的に定めた文書に署名しました。
プーチン政権としては一方的な併合を正式に決めたものですが、ウクライナ側は領土の奪還に向けて反転攻勢を一層強める構えです。
ロシア政府の5日の発表によりますとプーチン大統領は、ウクライナ東部のドネツク州とルハンシク州、南東部のザポリージャ州、南部のヘルソン州の合わせて4つの州を併合すると一方的に定めた文書に4日、署名しました。
プーチン政権としては議会での可決など法的な手続きを強行し、これらの4つの州の一方的な併合を正式に決めたものです。
こうしたロシア側の動きに対してウクライナ大統領府は4日、ゼレンスキー大統領がロシアによるウクライナの領土の一方的な併合は無効だとする大統領令に署名したと発表し、ロシア側を強くけん制しました。
ロシア側は今後「領土防衛」を名目に侵攻を継続していく方針であるのに対して、ウクライナ側は領土の奪還に向けて反転攻勢を一層強める構えです。