全日空 冬の「一時金」コロナ前の水準に引き上げへ 労組に提案

全日空は、新型コロナの影響で落ち込んだ旅客需要が回復傾向にあることを踏まえ、この冬の「一時金」をコロナ前の水準に引き上げて毎月の賃金の2か月分とする方針を決め、5日、労働組合に提案しました。

全日空は、新型コロナの影響で業績が悪化したことに伴い、おととしの冬から一時金の支給を取りやめましたが、ことしの夏は支給を再開し、毎月の給与に当たる「月例賃金」の1か月分を支給していました。

関係者によりますと全日空は、旅客需要が回復傾向にあることを踏まえ、この冬の一時金をコロナ前と同じ「月例賃金」の2か月分とする方針を決め、5日、労働組合に提案したということです。

全日空は、夏と冬の分に加え、業績に連動する年度末の一時金についても支給を再開したいとしています。

ただ、年収ベースではコロナ前を1割から2割程度下回る水準です。

新型コロナの打撃を受けた航空業界や旅行業界では、業績の悪化に伴って一時金やボーナスの減額や取りやめが相次ぎましたが、今後、政府の水際対策が緩和され外国人観光客の増加も見込まれる中、従業員の賃金などの待遇がどこまで改善するかが焦点となります。