プーチン大統領 4州併合手続き強行 ウクライナ“交渉不可能”
ロシアのプーチン大統領はウクライナの4つの州を一方的に併合するための法的な手続きを強行していて、今後、「領土防衛」を名目に侵攻を継続していく方針です。これに対して、ウクライナ政府は、プーチン大統領とは交渉は行わない方針を正式に決定したと発表し、領土の奪還に向けて徹底抗戦していく構えです。
ロシアのプーチン政権は、ウクライナ東部のドネツク州とルハンシク州、南東部ザポリージャ州、南部ヘルソン州の合わせて4つの州を併合すると一方的に定めた文書や関連法案について議会下院に続き、4日、上院にも提出して可決させました。
プーチン大統領はこの文書に署名するなど法的な手続きを強行し、今後「領土防衛」を名目に侵攻を継続していく方針です。
一方、ロシアのショイグ国防相は4日、プーチン大統領が踏み切った予備役の部分的な動員について、これまでに20万人以上が招集されて軍の部隊に入ったと発表しました。
そして、招集した兵士らを将校のもとで訓練させたうえで、ウクライナ侵攻を続ける軍の部隊に加える考えを示しています。
これに対してウクライナ大統領府は4日、ゼレンスキー大統領がロシアによるウクライナの領土の一方的な併合は無効だとする大統領令に署名したと発表し、ロシア側を強くけん制しました。
また、ウクライナ大統領府は先月30日に行った国家安全保障・国防会議の結果、「プーチン大統領と交渉するのは不可能だ」と結論づけたとしてプーチン大統領とは交渉は行わない方針を正式に決定したことを4日、発表しました。
ゼレンスキー大統領は、プーチン政権が一方的な併合に踏み切ったことに対し、強い不信感を示していて、領土奪還に向けて徹底抗戦していく構えです。
ウクライナ国防省は4日、SNSに南部ヘルソン州の村にウクライナの国旗を掲げる動画を投稿するなど奪還した地域を広げているとみられ、東部や南部で反転攻勢を強めています。