ロシア “ウクライナ4州併合” 文書 上院でも可決

ロシアのプーチン政権は、ウクライナの4つの州を併合すると一方的に定めた「条約」だとする文書について、議会下院に続き、4日、上院にも提出して可決させ、「領土防衛」を名目に侵攻を継続する方針です。
これに対して、ウクライナ側は、反転攻勢を一層強め、領土の奪還を進める構えです。

ウクライナ軍は、東部ドネツク州の要衝リマンを奪還したあと、隣接する東部ルハンシク州、さらには南部ヘルソン州でも反転攻勢を強めています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は3日、「現地のロシア軍部隊は、これまで精鋭部隊とみなされていたにもかかわらず、ウクライナ軍は過去24時間で、リマン周辺とヘルソン州北部で大きな前進を遂げた」と分析しています。

こうした中、ロシアのメディアは、東部ハルキウ州の軍事侵攻を指揮していたロシア軍の司令官が交代したと伝えています。

ロシア軍は先月、ウクライナ軍の反撃によってハルキウ州の大部分を失ったことから、事実上の更迭と受け止められ、「戦争研究所」は、プーチン大統領は、軍の失敗の責任を転嫁する努力を続けているようだと指摘しています。

一方、プーチン政権は、ウクライナの東部や南部の4つの州を併合すると、一方的に定めた「条約」だとする文書や関連法案について、議会下院に続き、4日上院にも提出して可決させました。

この後、プーチン大統領はこの文書などに署名し、一方的な併合を正式に決定する見通しです。

また、ロシア国防省は3日、動員によって急きょ招集された兵士が、ルハンシク州やドネツク州に到着し、訓練を行う様子などの動画を公開し、兵士らは、「われわれの祖国を守らなければならない」などと話していました。

プーチン政権は、「領土防衛」を名目に侵攻を継続する方針です。

ウクライナ 領土奪還進める構え

これに対してウクライナのゼレンスキー大統領は3日、「ウクライナには明確で国際的に認められた国境がある」と述べるなど、反転攻勢を一層強め、領土の奪還を進める構えです。