平成ってもうレトロなの?

若者向けの衣料品店に並ぶ大量の「ルーズソックス」
平成ではなく、令和の光景です。
平成にも流行したアレやコレが「平成レトロ」として令和の若者の間でふたたびブームになっているというのです。

少し前まで「平成生まれです」と言うだけで「若いねぇ」と返してもらっていた私。
「平成が“レトロ”ってどういうこと!?」
思わず取材しました。
(大阪放送局 アナウンサー 大川悠介)

令和の女子高生もルーズソックス!?

大阪・梅田、流行に敏感な若者向けの店が多く集まる商業施設内の衣料品店。店内に入ると、60cmに80cm、120cmと、ルーズソックスがズラリ。
ほかにも、厚底ブーツ、「へそ出し」の短い丈のトップスなど、平成にも大流行したアイテムがたくさん並んでいます。
(WEGO HEP FIVE店 安治川桃子店長)
「ことしに入って、急に“バズる”というか、売り上げもどんどん上がってきている。ちょっと肌見せしてヘルシーにも見えて、スタイルアップにもつながっているので、若い子たちの心に刺さっているのだと思う」

キーワードは「Y2K」

キーワードは「Y2K」
「Year」の「Y」と、「1000」を表す「キロ」の「K」で「Y2K」。2000年ごろの流行を取り入れたファッションスタイルです。

2000年当時の私は小学生。ただでさえ大人が大きく見える年頃ですが、厚底で背丈の伸びた“お姉さん”世代の女性たちがいっそう大きく感じられたのを覚えています。

ただ、私の記憶にある平成のブームと比べると、ある変化も。
たとえば、ルーズソックス。ミントグリーンやパープルなど、白以外のカラーバリエーションが増えているのです。
制服でテーマパークに遊びに行くときはグリーンのルーズソックスで“崩して”着こなすといった具合に、流行を取り入れつつも、個性を表現するのが令和流なんだそうです。

“平成”がブームの最先端!?

Y2Kファッションをはじめとする再ブームの動きは「平成レトロ」と呼ばれています。女子中高生のトレンドに関する民間の調査では、ことし上半期、「平成レトロ」がトレンドワード1位に。

たとえば、今の高校3年生は、平成で言うと16年~17年の生まれ。平成前半の流行が、若い世代には新鮮に受け取られているのです。「流行は繰り返す」とは言いますが、平成の流行も繰り返される対象になったようです。

“プロフィール帳” 時代を反映

流行を繰り返すといえば、こちらも。
懐かしの「プロフィール帳」です。
友だちに、名前や誕生日、好きな食べ物などを書いてもらい、集めて楽しむ手帳です。
ことしの商品に、想定以上の反響が寄せられたという企業がありました。
プロフィール帳を30年以上前から毎年発売している大阪・中央区の会社です。
コロナ禍で対面の機会が減った去年は販売を休止し、ことし2年ぶりに発売。好評で、追加で、急きょ新商品も作ったというのです。
(カミオジャパン商品部 石川奈津希さん)
「SNSで毎日つながれても、あらためて、好きな芸能人や好きな動画を聞く機会はなかなかない。そういった面でも楽しいのかなって思います」

対面でのコミュニケーションのきっかけとして今、プロフィール帳が見直されています。
ただ、中身は時代に合わせて変化しています。

平成には当たり前だった「FAX番号」を書く欄は、令和のプロフィール帳にはなくなり、代わりに「SNSのID」を書く欄が。「好きな動画」という項目や「推し」という表現で好きなアイドルなどを記入する項目もできています。

また、プロフィール帳ではお決まりの恋愛に関する質問。
かつて「いつ結婚したい?」と聞かれていた質問は、今は「いつか結婚してみたい?はい・いいえ」に。社会の価値観の変化が反映され、結婚することを前提としない表現に変わっていました。

(カミオジャパン商品部 石川奈津希さん)
「子どもが小さいときからそういう質問を入れるとそういう価値観が浸透してしまうかなと思って配慮している」

あのカメラの楽しみ方にも変化が!

価値観の変化は、カメラの世界にも。
スマホでいつでも写真が撮れる今の時代なのに「レンズ付きフィルム」が注目されています。
「はいチーズ」って言ったのに「フィルム巻いてなかった!」とか、よくありましたよね。

今、特設コーナーを設けるほど、人気が再燃。
「1人1点まで」など、購入数に制限をかける店舗もあるほどです。
フィルムならではの画質や仕上がりが、エモーショナル=“エモい”と、人気が急上昇しています。
(カメラのキタムラ 大阪・なんばCITY店 宮田美季さん)
「高画質=いい写真、という概念ではなくなったと思う。フィルムならではの色味や質感がレトロでかわいいという、新たな写真としていいという位置についてるんじゃないかなと思います」

撮ったあとの楽しみ方には、今ならではの変化があります。
ネガの現像と同時に、写真のデータをスマホに転送するサービスが人気なんです。
最短1時間で現像は完了。
渡されるQRコードを読み取ると、簡単に写真のデータを保存できます。SNSへのアップも、気軽にできるというわけなんです。

さらに、写真のサイズにも、驚きの変化がありました。
一般的なLサイズの半分のハーフサイズでのプリントです。スマホカバーの中に収まるサイズ。令和の若者は、オリジナルのカバーのようにして楽しんでいるそうです。

「平成レトロ」眠っていませんか?

ただの再ブームにはとどまらず、令和ならではの要素も加わっている「平成レトロ」
あなたのご自宅に眠る「平成レトロ」も、新たな価値がついて人気が出るかも…?しれませんよ。

最後に、私が子どものころに書いたプロフィール帳をお持ちの方がいたら、恥ずかしすぎるのでこっそり回収させてください…。