ウクライナ 東部要衝リマンを奪還 ロシアは政治的にも痛手か

ウクライナ東部ドネツク州の要衝リマンについてゼレンスキー大統領は、2日、奪還したことを明らかにしました。
ロシアのプーチン政権にとってウクライナの東部や南部の一方的な併合に踏み切った直後に要衝を奪還されたことは、軍事的な打撃だけでなく政治的な痛手になっているとも受け止められています。

ウクライナでロシア軍が支配していた東部ドネツク州の要衝リマンについて、ゼレンスキー大統領は2日、日本時間の2日午後7時、SNSで「完全に敵を排除した」と述べ、リマンを奪還したことを明らかにしました。

リマンをめぐってはロシア国防省が1日「包囲される脅威がある」として部隊を撤退させたと発表していました。

ロシア国防省が「脅威があることから撤退した」と公式に発表するのは異例で、プーチン大統領に強い忠誠心を示す武闘派の側近がSNSで軍部を痛烈に批判するなどロシア側では不満が相次いで表面化しています。

一方、ロシアの憲法裁判所は2日、プーチン大統領がウクライナの東部や南部の4つの州を併合すると定めた「条約」だとする文書について「合憲」だと一方的に承認する判断を示しました。

プーチン政権は4つの州の一方的な併合に踏み切ったあとも「祖国の防衛」を名目に軍事侵攻を続ける構えですが、ゼレンスキー大統領はさらなる領土の奪還に強い意欲を示しています。

戦況を分析するイギリス国防省は2日「ロシア軍のリマンからの撤退は政治的にも大きな後退を意味する」と指摘し、プーチン政権にとって一方的な併合に踏み切った直後に要衝を奪還されたことは軍事的な打撃だけでなく政治的な痛手になっているとも受け止められています。