ロシアの憲法裁判所は2日、プーチン大統領がウクライナの東部や南部の4つの州を併合すると定めた「条約」だとする文書について「合憲」だと一方的に承認する判断を示しました。
プーチン政権は4つの州の一方的な併合に踏み切ったあとも「祖国の防衛」を名目に軍事侵攻を続ける構えですが、ゼレンスキー大統領はさらなる領土の奪還に強い意欲を示しています。

【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(10月2日の動き)
ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる2日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
3日の動きはこちら
ロシア 憲法裁判所 4州併合の「条約」文書を「合憲」判断
ゼレンスキー大統領「リマンから完全に敵を排除」

ウクライナ東部ドネツク州の要衝リマンについて、ゼレンスキー大統領は現地時間の午後1時、日本時間のさきほど午後7時、SNSに動画を投稿し、「リマンから完全に敵を排除した」と述べ、リマンを奪還したことを明らかにしました。リマンについては、ロシア国防省が1日、部隊の撤退を発表していました。
IAEA グロッシ事務局長「原発職員の拘束 原子力の安全に有害」

ウクライナの原子力発電公社がザポリージャ原子力発電所の安全管理の責任者がロシア側に連れ去られたと発表したことについて、IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は1日、声明を出し「原発職員の拘束はそれ自体が深い懸念材料だが、ほかの職員への心理的な圧力にもなり、原子力の安全にとって有害だ」として強い懸念を表明しました。
そのうえで、連れ去られた責任者は原発で緊急事態が起きた場合に対応を指揮する立場だと指摘し「彼の不在は原発の安全を確保するための意思決定に直ちに深刻な影響を与える」として、速やかな解放に期待を示しました。
また、声明では相次ぐ砲撃により一時的に外部電源を失うなどしたザポリージャ原発の周辺を安全な区域に設定するための協議のためグロッシ事務局長が今週、ウクライナとロシアを訪れる予定だと明らかにしました。
そのうえで、連れ去られた責任者は原発で緊急事態が起きた場合に対応を指揮する立場だと指摘し「彼の不在は原発の安全を確保するための意思決定に直ちに深刻な影響を与える」として、速やかな解放に期待を示しました。
また、声明では相次ぐ砲撃により一時的に外部電源を失うなどしたザポリージャ原発の周辺を安全な区域に設定するための協議のためグロッシ事務局長が今週、ウクライナとロシアを訪れる予定だと明らかにしました。
ウクライナ国営通信「市民乗った車の列 攻撃受け24人死亡」

ウクライナの国営通信は東部ハルキウ州の警察の1日の発表として、9月の反転攻勢でウクライナ軍が奪還したクピヤンシク付近で、市民の乗った車の列がロシア側の攻撃を受け、これまでに子ども13人を含む24人が死亡したと伝えました。

また、ウクライナの治安当局はロシア軍の部隊が6台の車とトラック1台を銃撃したとしていて、公開した画像では、車の窓ガラスや側面などに多数の穴があき、一部が黒く焼け焦げている様子が確認できます。
ウクライナでは、南東部ザポリージャ州でも市民の乗った車の列が攻撃を受け、ウクライナ側は、9月30日、これまでに30人が死亡したことを明らかにしています。
ウクライナでは、南東部ザポリージャ州でも市民の乗った車の列が攻撃を受け、ウクライナ側は、9月30日、これまでに30人が死亡したことを明らかにしています。
ゼレンスキー大統領「ウクライナの旗はすでにリマンにある」

ウクライナのゼレンスキー大統領は、1日に公開した動画で、ロシア軍が部隊を撤退させたと発表した東部ドネツク州の要衝リマンについて、「ウクライナの旗はすでにリマンにある。ただ、戦闘はまだ続いている」と述べ、奪還を進めていることを明らかにしました。
そのうえで「ドンバスではこの1週間にウクライナの旗がさらに掲げられるだろう」と述べて、東部でのさらなる領土の奪還に強い意欲を示しました。
そのうえで「ドンバスではこの1週間にウクライナの旗がさらに掲げられるだろう」と述べて、東部でのさらなる領土の奪還に強い意欲を示しました。
リマンから撤退受けプーチン大統領側近 SNSで軍部を批判

ロシアのプーチン大統領に強い忠誠心を示す武闘派の側近で、ウクライナ侵攻ではチェチェンの戦闘員を率いているカディロフ氏は1日、ロシア国防省がウクライナ東部ドネツク州のリマンから部隊を撤退させたことを受けてSNSで軍部を痛烈に批判しました。
この中で「基本的な軍の補給物資が不足していたため広大な領土を放棄してしまった」としたうえで、2週間前、ロシア軍のゲラシモフ参謀総長にリマンで敗北する可能性を伝えたものの、参謀総長が否定したと主張しました。
そして「われわれの領土を守るためにあらゆる武器を使え。個人的な意見だが、国境地帯に戒厳令を敷き、低出力の核兵器を使用するといった厳しい措置が必要だ」と主張しました。
カディロフ氏は好戦的で、過激な主張をすることで知られ、プーチン大統領がウクライナの4つの州の一方的な併合に踏み切った直後にロシア軍の部隊が支配地域の要衝から撤退したことで、ロシア側の内部で新たな不協和音が生じた形です。
この中で「基本的な軍の補給物資が不足していたため広大な領土を放棄してしまった」としたうえで、2週間前、ロシア軍のゲラシモフ参謀総長にリマンで敗北する可能性を伝えたものの、参謀総長が否定したと主張しました。
そして「われわれの領土を守るためにあらゆる武器を使え。個人的な意見だが、国境地帯に戒厳令を敷き、低出力の核兵器を使用するといった厳しい措置が必要だ」と主張しました。
カディロフ氏は好戦的で、過激な主張をすることで知られ、プーチン大統領がウクライナの4つの州の一方的な併合に踏み切った直後にロシア軍の部隊が支配地域の要衝から撤退したことで、ロシア側の内部で新たな不協和音が生じた形です。
ロシア国防省 「リマンから撤退」 ウクライナ軍奪還の可能性も

ロシア国防省は1日、ロシア軍が支配していたウクライナ東部ドネツク州の要衝リマンについて、「包囲される脅威があることからロシア軍は、リマンからより有利な場所へと撤退した」と発表し、ロシア軍の部隊をリマンから撤退させたと明らかにしました。
ウクライナ軍は、リマンへの攻勢を強め、部隊を進めていたことを明らかにしていて、ウクライナ軍がリマンを奪還した可能性もあります。
ロシア軍が、リマンから撤退したことで、プーチン政権が目指す東部ドンバス地域の完全掌握は一層困難になるものとみられます。
ウクライナ軍は、リマンへの攻勢を強め、部隊を進めていたことを明らかにしていて、ウクライナ軍がリマンを奪還した可能性もあります。
ロシア軍が、リマンから撤退したことで、プーチン政権が目指す東部ドンバス地域の完全掌握は一層困難になるものとみられます。