ロシア 今夜 ウクライナ4州併合表明か 国際社会の非難強まる

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのプーチン大統領は日本時間の30日夜、ウクライナの東部と南部の4つの州の一方的な併合に踏み切る構えです。これに対して国連のグテーレス事務総長は「併合のためのいかなる決定も法的な価値を持たず、非難に値する」と述べるなど、国際社会からの非難が一層強まっています。

プーチン大統領は29日、ウクライナの南東部ザポリージャ州と南部ヘルソン州について、それぞれ「独立国家」として一方的に承認する大統領令に署名しました。

ことし2月には、ウクライナ東部のドネツク州とルハンシク州も「独立国家」として一方的に承認していて、プーチン大統領は30日の午後3時、日本時間の30日夜9時からモスクワのクレムリンで式典を開き、ウクライナの4つの州を併合する文書に調印し、演説で併合について表明するものとみられます。

プーチン大統領としては一方的な併合に踏み切り、ロシアの領土だと主張することで、ウクライナや軍事支援を行う欧米側をけん制するとともに、国民の愛国心を高めたい思惑もあるとみられます。

こうした動きに対して、国連のグテーレス事務総長は29日、ニューヨークの国連本部で急きょ記者会見し、武力によって、ほかの国の領土を併合することは国連憲章と国際法に違反していると指摘しました。

そのうえで「併合のためのいかなる決定も法的な価値を持たず、非難に値する」と強調しました。

また、アメリカのバイデン大統領も「アメリカは、ウクライナの領土をロシアのものとする主張を決して認めない」などと述べ、非難しました。

アメリカやEU=ヨーロッパ連合は、追加の経済制裁を科す方針を明らかにするなど、国際社会からの非難が一層強まっています。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は29日、ビデオメッセージで「ロシアがウクライナの領土を新たに手に入れることはない」と述べ、ロシアによる支配地域を奪還する姿勢を改めて強調するとともに、30日に国家安全保障・国防会議を開き、対抗策を協議する方針を明らかにしました。