フィンランド ロシア人の観光ビザでの入国 原則禁止に

北欧のフィンランドは、隣国ロシアで予備役の動員が発表されて以降、陸路で逃れてくる人が大幅に増えたことを受け、ロシア人の観光ビザでの入国を30日から原則として禁止しました。
国内の安全が脅かされることへの懸念が要因になったとみられます。

ロシアとおよそ1300キロにわたって国境を接するフィンランドでは、プーチン大統領が予備役の部分的な動員を発表した21日以降、陸路で入国するロシア人が1週間で5万人余りと前の週の2倍近くに増えました。

その多くが動員を逃れようとする男性やその家族などで、観光ビザで入国したあとほかの国に向かう人もいます。

こうした動きについてフィンランド政府は29日、「フィンランドの国際的な立場を危機にさらしている」として、ロシア人の観光ビザでの入国を30日午前0時、日本時間の午前6時から原則として禁止しました。

関係者によりますと、背景には国内の安全が脅かされることへの懸念などがあったということです。

ハービスト外相は「ロシア人による観光目的の入国やフィンランドを経由してほかの国に行く動きを完全に阻止するねらいがある」としていますが、フィンランドにいる家族との面会をはじめ、仕事や教育を理由にした入国は引き続き認めるとしました。

ヨーロッパではロシアと国境を接するポーランドやバルト3国でも今月、ロシア人の観光目的などでの入国を原則禁止しています。