【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(30日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる30日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

プーチン大統領 ウクライナ4州 一方的に併合を宣言

ロシアのプーチン大統領は、日本時間の30日午後9時すぎからモスクワのクレムリンで演説し、▽ウクライナ東部のドネツク州とルハンシク州、▽南東部ザポリージャ州、▽南部ヘルソン州のあわせて4つの州について、ロシアが併合することを定めた条約だとする文書に署名すると述べ併合を一方的に宣言しました。
プーチン大統領が一方的な併合に踏み切ったことで、国際社会から一層非難が強まることが予想されます。

ロシア大統領 報道官「併合地域への攻撃は侵略」

ロシアが一方的に併合する構えのウクライナ東部や南部の4つの州について、ロシア大統領府のペスコフ報道官は30日、併合後、ウクライナ側による攻撃があれば、ロシアへの侵略行為とみなされるのかと記者団から問われたのに対して、「それ以外にないだろう」と述べました。

ウクライナ軍が4つの州の奪還に向けて反撃した場合、ロシアとして侵略とみなすという一方的な考えを主張したものです。

また、プーチン政権が核戦力の使用も辞さない構えを示し、欧米が非難していることについてペスコフ報道官は、「このテーマを発展させるつもりはなく、責任ある行動を呼びかけたい。核をめぐる議論については、すべてのことが書かれている基本原則をよく知ってほしい」と述べました。

ザポリージャ州でロシア軍が攻撃 23人死亡

ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官は30日、自身のSNSに投稿し、南東部ザポリージャ州で市民の乗った車の列がロシア軍による攻撃を受け、これまでに23人が死亡し、28人がけがをしたとと明らかにしました。

現地からの映像では、車の窓ガラスが大きく壊れているほか、車の近くには犠牲になったとみられる市民が布で覆われた状態で横たわっているのも確認できます。

ザポリージャ州をめぐってはロシアのプーチン大統領が29日、「独立国家」として、一方的に承認する大統領令に署名し、併合することを表明するものとみられています。

これを前に、市民らはロシア軍の占領地域にいる親族を迎えに行く途中だったということで、ティモシェンコ副長官は、「ここに軍事的な設備はなく、市民が乗った車しかなかった。ロシアによる戦争犯罪だ」として、強く非難しています。

岸田首相 ゼレンスキー大統領と電話会談

ロシアのプーチン大統領が、ウクライナの一部の州の一方的な併合に踏み切る構えを見せる中、岸田総理大臣は30日午後7時前からウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行いました。

この中で岸田総理大臣は、ロシア側による併合に向けた動きはウクライナの主権と領土の一体性を侵害し、国際法に違反するもので断じて容認できず、強く非難するとした日本の立場を伝えたものと見られます。

そのうえで、今後もG7=主要7か国をはじめとする国際社会と緊密に連携し、強力な対ロ制裁とウクライナ支援を継続していく方針を伝えたものと見られます。

ロシア大統領府「プーチン大統領演説後に署名式」

ロシア大統領府のペスコフ報道官は30日、式典について、日本時間の30日午後9時にクレムリン大宮殿の「ゲオルギーの間」で始まるとしたうえで「プーチン大統領による長い演説のあと文書の署名式がある」と述べました。

署名式には、ウクライナの4つの州にいる、プーチン政権を後ろ盾とする親ロシア派勢力の幹部もそれぞれ出席するとしています。

中国外務省「対話と交渉による適切な解決を」

ロシアのプーチン大統領がウクライナの東部と南部の4つの州の一方的な併合に踏み切る構えを見せていることについて、中国外務省の毛寧報道官は、30日の記者会見で「すべての国の主権と領土の一体性を尊重するとともに、各国の安全保障上の合理的な懸念を重視し、平和的な解決に資するあらゆる努力を支持すべきだ」と述べ、従来の立場を繰り返しました。

その上で、「われわれは、関係する国々が対話と交渉によって意見の違いを適切に解決することを望む。中国は国際社会とともに引き続き、情勢の緩和を促すために建設的な役割を果たしたい」と述べました。

国連安保理 「住民投票」非難の決議案を採決へ

ウクライナの東部や南部で親ロシア派の勢力が行った「住民投票」だとする活動をめぐり、国連の安全保障理事会では、こうした活動を非難し、違法行為であり有効ではないなどとした決議案をアメリカなどが提出しました。

日本時間の1日午前に採決が行われることになります。

決議案の採択には、15の理事国のうち9か国以上の賛成が必要ですが、常任理事国のロシアが拒否権を行使すれば否決されます。

ゼレンスキー ロシアへの対抗策を協議へ

ウクライナのゼレンスキー大統領は29日、ビデオメッセージで「ロシアがウクライナの領土を新たに手に入れることはない」と述べ、ロシアによる支配地域を奪還する姿勢を改めて強調するとともに、30日、国家安全保障・国防会議を開き、対抗策を協議する方針を明らかにしました。

ロシア世論調査 動員は半数近くが「不安や恐怖」と回答

民間の世論調査機関「レバダセンター」は9月22日から28日にかけて、ロシア国内の18歳以上の1600人余りを対象に予備役の動員について対面で調査した結果を29日に発表しました。
この中で「動員についてどう感じるか」複数回答で聞いたところ、
▽「不安や恐怖」が47%と最も多く、
次いで
▽「ショック」と「国への誇り」がそれぞれ23%、
▽「怒りや憤り」が13%でした。

また、今後、総動員が発令されることを恐れているかという質問に対して
▽「間違いなく恐れている」が36%、
▽「どちらかというと恐れている」が30%で、
動員の対象が国民全体に及ぶことを恐れているのは3分の2に上りました。

「レバダセンター」は政権から「外国のスパイ」を意味する「外国の代理人」に指定され、圧力を受けながらも独自の世論調査活動や分析を続けています。

アメリカ バイデン大統領「決して認めない 完全なでっちあげ」

ウクライナの一部をロシアに併合しようとする動きについて、アメリカのバイデン大統領は29日「アメリカはウクライナの領土をロシアのものとする主張を決して認めない。『住民投票』と称するものは完全なでっちあげにすぎない」と述べ、非難しました。
そのうえで「プーチンの帝国主義的な野心にもとづいたウクライナへの侵攻は明確な国連憲章違反だ」と述べて批判しました。

フィンランド ロシア人の観光ビザでの入国 原則禁止に

ロシアとおよそ1300キロにわたって国境を接するフィンランドでは、プーチン大統領が予備役の部分的な動員を発表した21日以降、陸路で入国するロシア人が1週間で5万人余りと前の週の2倍近くに増えました。
その多くが動員を逃れようとする男性やその家族などで、観光ビザで入国したあとほかの国に向かう人もいます。
こうした動きについてフィンランド政府は29日、「フィンランドの国際的な立場を危機にさらしている」として、ロシア人の観光ビザでの入国を30日午前0時、日本時間の午前6時から原則として禁止しました。
関係者によりますと、背景には国内の安全が脅かされることへの懸念などがあったということです。
ハービスト外相は「ロシア人による観光目的の入国やフィンランドを経由してほかの国に行く動きを完全に阻止するねらいがある」としていますが、フィンランドにいる家族との面会をはじめ、仕事や教育を理由にした入国は引き続き認めるとしました。

プーチン大統領 2州を独立国家と一方的に承認 大統領令に署名

ロシアのプーチン大統領は29日、ウクライナの
▽南東部ザポリージャ州と
▽南部ヘルソン州について
それぞれ独立国家として一方的に承認する大統領令に署名しました。
ことし2月にはウクライナ東部のドネツク州とルハンシク州を独立国家として一方的に承認していて、プーチン大統領はこれらを根拠に30日に4つの州を併合する文書に調印する構えです。

ウクライナ国防省 「動員」の電話相談開設 投降を呼びかけ

ロシアが、ウクライナで一方的に併合するとしている東部や南部で、地元の男性を強制的にロシア軍に動員する動きが出る中、ウクライナの国防省は、電話で相談に乗るためのホットラインを設けたうえで、動員されたら直ちにウクライナ軍に投降するよう呼びかけています。
これは、ウクライナの国防省がホームページを通して呼びかけているものです。
この中で、ロシア軍に動員された人たちに対して「あなたたちの上官はどうせすぐに逃げ出す。自分と家族のために生き残れ。他人の利益のために戦うな」としたうえで、動員された場合はみずからウクライナ軍に投降するように呼びかけています。
そして、電話で相談に乗るためのホットラインの番号を掲載していて、国防省の担当者が対応するとしています。
これについて、ウクライナ政府で安全保障政策を担当する、国家安全保障・国防会議のダニロフ書記がNHKのインタビューで「動員されたウクライナの国民はどう行動すべきか分かっている。最もわかりやすい行動はウクライナ軍に投降することだ」と話しています。

「ロシア軍に行かず監獄に行くほうがまし」ヘルソンの男性たち

ロシアが、一方的に併合するとしているウクライナの東部や南部で地元の男性を強制的にロシア軍に動員する動きが出る中、南部ヘルソン出身の住民がNHKのオンラインインタビューに応じ「友人の男性たちは、ロシア軍には行かず、監獄に行くほうがましだと話している」として、ロシアへの反発が一層強まっている現地の様子を語りました。
インタビューに応じたのは、ロシア軍が軍事侵攻で掌握した南部のヘルソンからオデーサに避難している29歳のセラピストの女性です。
女性は、ヘルソンに残る家族の話として、ロシア側が強行した「住民投票」とする活動の結果について「母親と電話した際、盗聴を警戒して多くは語らなかったが、笑うしかないと話していた。結果ありきなのは誰もが分かっている」と述べました。
そのうえで、地元の男性を強制的にロシア軍に動員する動きが出ていることについて「男性たちはヘルソンから脱出することができなくされているようだ。ヘルソンに残る複数の友人の男性たちは『動員されそうになってもロシア軍には行かない。監獄に行くほうがましだ』と話している」と明かしました。
そのうえで「彼らは同じウクライナ人を相手に戦闘するようなことは絶対にしたくない」と述べ、現地ではロシアへの反発が一層強まっていると強調しました。
一方で、ウクライナ軍はヘルソンに対しても奪還に向けた反転攻勢を続けていて、女性は「母親によると、爆発音は市の中心部ではなく、周辺から聞こえている。市内で銃声が聞こえたこともあったが、ロシア兵どうしのいざこざだったようだ」と話していました。

プーチン大統領「動員の対象などに誤りあったら訂正」

ロシアのプーチン大統領は29日、首都モスクワで開いた安全保障会議で、全土で進めている予備役の部分的な動員について「その対象などに誤りがあったとすれば訂正しなければならず、正当な理由なく動員された人は家に帰さなければならない」と述べ、動員を進める過程で誤りがあったことを認めました。
動員をめぐっては高齢者や学生など対象でない人まで招集されていると伝えられているほか、各地で抗議活動が起きたり招集を逃れようと市民が周辺各国に押し寄せたりして反発や混乱が広がっていて、プーチン大統領としては世論に配慮する姿勢を示すことで社会不安を抑えたいねらいがあるものとみられます。

“4州をロシアが併合” プーチン大統領が30日に文書に調印へ

ロシア大統領府のペスコフ報道官は29日、プーチン大統領がモスクワのクレムリンで30日の午後3時、日本時間の30日午後9時から併合に関連する式典を開くと発表しました。
プーチン大統領は4つの州の親ロシア派の幹部と面会しロシアが併合する文書に調印するとしていて、式典で併合について演説する予定だということです。
さらにロシアのメディアは、式典のあとモスクワの中心部など各地で併合に関連するイベントが行われる見通しだと伝えています。

ウクライナ大統領府顧問「法的には何の意味もない」

ロシア大統領府が、プーチン大統領が30日にウクライナの東部と南部4つの州の併合に関連する式典を開くと発表したことについて、ウクライナのポドリャク大統領府顧問は29日、SNSに「クレムリンの見せ物小屋だ。法的には何の意味もない」と投稿してロシア側の動きを批判しました。

国連 グテーレス事務総長「併合は非難に値する」

国連のグテーレス事務総長は29日、ニューヨークの国連本部で急きょ記者会見し、武力によってほかの国の領土を併合することは国連憲章と国際法に違反していると指摘しました。
そのうえで「ロシアは安全保障理事会の常任理事国の一つとして国連憲章を尊重する特別な責任がある。併合のためのいかなる決定も法的な価値を持たず、非難に値する」と強調しました。
また「国連の目的と原則を侮辱している。現代の世界ではありえない」と述べ、容認されてはならないと指摘しました。
グテーレス事務総長の今回の発言について国連の報道官は、ウクライナ情勢をめぐる事務総長の発言としてはこれまでで最も強い表現だと説明しています。

プーチン大統領「住民投票」だとする活動の正当性を強調

ロシア大統領府によりますとプーチン大統領は29日、トルコのエルドアン大統領との電話会談の中でウクライナの東部と南部の4つの州で強行された「住民投票」だとする活動について「国際法の規範と原則に完全に従い、透明性のある方法で行われた。地域の住民はみずからが決定する権利を行使した」などと説明したということです。
プーチン大統領は30日に首都モスクワのクレムリンで4つの州をロシアが併合する文書に調印し一方的な併合に踏み切る構えで、それを前にウクライナ情勢で仲介役を務めるエルドアン大統領に対し「住民投票」だとする活動の正当性を強調したものとみられます。

パイプラインガス漏れ NATO「インフラ攻撃には断固対応」

ロシアとドイツを結ぶバルト海のガスパイプライン、ノルドストリームのガス漏れについてスウェーデンの当局は29日、ガス漏れがもう1か所あると発表し、これで4か所となりました。
ヨーロッパ側ではガス漏れは破壊工作によるものとの見方が強まっていますが、29日、NATOが声明を発表し「現在ある情報はこれが破壊工作だと示唆している」としたうえで、「加盟国の重要インフラを意図的に攻撃すれば断固とした対応を取る」と強調しました。
またEU=ヨーロッパ連合で内務を担当するヨハンソン委員は28日、ドイツメディアに対し「新たな攻撃があすにも行われるかもしれないと認識しなければならない」と述べ、重要インフラが破壊工作やテロなどの脅威に耐えられる状況かなどを点検する方針を明らかにしました。
一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は29日、「前例のない出来事で国家レベルの一種のテロ攻撃のようだ」と述べました。
そのうえで一部のアメリカメディアがロシア軍が関与した可能性を指摘していることに対し「この地域はNATO加盟国の船舶や航空機が多くいるバルト海であり、ばかげている」と関与を否定しました。