オーストラリア LNG輸出規制措置 導入されない見通し

オーストラリア政府は、ロシアによるウクライナへの侵攻を背景に天然ガスの価格が高騰する中、LNG=液化天然ガスの輸出が増えて国内向けのガスが不足するおそれがあるとして輸出規制を検討していましたが、ガス事業者が国内向けに優先的に供給することで合意し、規制措置は導入されない見通しとなりました。

日本の公正取引委員会にあたる「オーストラリア競争・消費者委員会」は8月に政府に対してLNGの輸出を規制する措置を検討するよう勧告しました。

ロシアによるウクライナへの侵攻を背景に天然ガスの価格が高騰する中、委員会はオーストラリアからLNGの輸出が増加し、来年、国内向けのガスが需要を1割程度下回り、ガス不足に陥るおそれがあることを理由に勧告したと説明しています。

これを受けてオーストラリア政府は、規制措置を導入するかどうか検討してきましたが、キング資源相は29日の会見で、ガス事業者がガスを国内向けに優先して供給することで政府と合意し、輸出を規制する必要はなくなったとの認識を示しました。

キング資源相は「オーストラリアは常に信頼できる貿易相手国で、安全な投資先であり続ける」と述べ、海外向けの供給にも影響はないと強調しました。

日本にとってオーストラリアはLNGの最大の輸入相手国で、輸出規制が導入された場合の影響が懸念されていました。