「国葬」に伴う岸田首相の弔問外交 一連の日程が終了

安倍元総理大臣の「国葬」に伴い、26日から行われてきた岸田総理大臣と各国首脳らによる弔問外交は、28日で一連の日程をすべて終えました。

岸田総理大臣は28日、東京 港区の迎賓館で、韓国のハン・ドクス(韓悳洙)首相やカンボジアのフン・セン首相、それに、イギリスのメイ元首相など20人と個別に会談しました。

このうち、韓国のハン・ドクス首相との会談で、岸田総理大臣は「安倍氏の逝去に際しては、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領をはじめ、韓国の数多くの方から丁重な弔意をいただいた。改めて心からお礼を申し上げたい」と述べました。

これに対し、ハン首相は「先週、国連総会をきっかけに日韓の首脳が会い、よい会談を行った。韓日両国は重要な協力パートナーで、関係を早期に改善するのが共同の利益に合致すると思っている」と述べました。

そして、両氏は、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題などを念頭に、日韓関係を健全な関係に戻し、発展させていくため、外交当局間による意思疎通を加速させていく方針で一致しました。

26日から3日間にわたって行われてきた弔問外交は、28日で一連の日程をすべて終えこの間、岸田総理大臣が会談した各国首脳らは、およそ40人に上りました。

岸田総理大臣は、来年の「G7広島サミット」も見据え、引き続き、さまざまな外交の舞台を通じて、国際社会での日本の影響力や存在感を高めていきたい考えです。

松野官房長官「幅広い議題で有益なやり取り」

松野官房長官は、記者会見で「数多くの要人が世界各地から参加されるのは、日本国民への弔意や安倍元総理大臣への敬意の表れであり、多くの首脳級の要人と重層的、多面的な対話を行っている」と述べました。

そのうえで「安倍元総理大臣の外交的遺産を引き継ぎ、発展させるという意思を伝える中で、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化、そのための自由で開かれたインド太平洋の推進、北朝鮮をめぐる問題、ウクライナ情勢、国連全体の機能強化に向けた連携など、非常に幅広い議題で有益なやり取りを行うことができている」と述べました。