北朝鮮 弾道ミサイルは2発 EEZ外に落下と推定 防衛副大臣

井野防衛副大臣は記者団に対し、北朝鮮が28日夜、北朝鮮西岸付近から2発の弾道ミサイルを東方向に向けて発射したことを明らかにしました。いずれも変則軌道で飛行した可能性があり、落下したのは日本のEEZ=排他的経済水域の外側と推定されるとしています。

井野防衛副大臣は、28日午後7時半ごろ、防衛省で記者団に対し、北朝鮮が28日午後6時台に、2発の弾道ミサイルを東方向に向けて発射したことを明らかにしました。

いずれも変則軌道で飛行した可能性があり、落下したのは北朝鮮東岸に近い日本海で、日本のEEZ=排他的経済水域の外側と推定されるとしています。

このうち
▽1発目は午後6時10分ごろ、北朝鮮西岸付近から東方向に向けて発射し、最高高度50キロ程度の低い高度で、およそ350キロ程度飛行し、
▽2発目は午後6時17分ごろ、北朝鮮西岸付近から東方向に向けて発射し、最高高度およそ50キロ程度の低い高度でおよそ300キロ程度飛行したということです。

これまでのところ、航空機や船舶などの被害の情報は確認されていないとしています。

井野副大臣は、今回の発射について「今月25日も弾道ミサイルを発射したばかりであり、これまでの弾道ミサイルなどのたび重なる発射も含め、一連の行動はわが国地域および国際社会の平和と安全を脅かすものだ」と述べ、北朝鮮側に対し、北京の大使館ルートを通じて抗議したことを明らかにしました。

ピョンヤン郊外から日本海に短距離弾道ミサイル2発発射 韓国軍

韓国軍は、北朝鮮が首都ピョンヤンの郊外から日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射したと発表しました。

アメリカのハリス副大統領が29日韓国を訪問するのを前に、日本海で共同訓練を行っている米韓両国に対抗してミサイル能力の向上を誇示する狙いがあるとみられます。

韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が28日午後6時10分ごろから20分ごろにかけて、首都ピョンヤン郊外の国際空港があるスナン付近から日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射したと発表しました。

飛行距離は360キロあまりで、高度は30キロあまりと低く、音速の6倍にあたるマッハ6で飛行したということです。

スナン付近からは、ことし6月にも短距離弾道ミサイル2発が発射されていて、アメリカ軍と韓国軍は、発射されたミサイルの種類などについて詳しい分析を進めています。

北朝鮮は今月25日にも北西部から日本海に向けて短距離弾道ミサイル1発を発射したばかりで、北朝鮮による弾道ミサイルなどの発射はことしに入ってこれで20回と、異例の高い頻度で繰り返されています。

米韓両軍は、4年ぶりとなる本格的な野外機動訓練を含む合同軍事演習に続き、26日からアメリカの原子力空母「ロナルド・レーガン」も加わって日本海で共同訓練を行っています。

これに対し、26日の国連総会で北朝鮮の大使は「戦争の瀬戸際に追いやる危険な行為だ」と非難していて、アメリカのハリス副大統領が29日に韓国を訪問するのを前に、米韓両国に対抗してミサイル能力の向上を誇示する狙いがあるとみられます。

海上保安庁 航行中の船舶に注意呼びかけ

海上保安庁は「北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射された」という情報があると、防衛省から連絡を受けたと午後6時13分に発表しました。

さらに海上保安庁は「弾道ミサイルの可能性があるものは、すでに落下したとみられる」という情報があると、防衛省から連絡を受けたと午後6時26分に発表しました。

航行中の船舶に対し、今後の情報に注意するよう呼びかけています。

これまで被害情報なし 海上保安庁

北朝鮮から弾道ミサイルの可能性がある飛しょう体が発射されたとみられることを受け、海上保安庁が日本周辺の海域で被害などの確認を進めていますが、これまでのところ日本に関係する船舶への被害の情報は入っていないということです。

岸田首相「詳細はこれから確認」

岸田総理大臣は、総理大臣官邸に入る際記者団に対し、「国民に対する情報提供と安全確保の指示を出した。詳細はこれから確認する」と述べました。

岸田首相 情報収集と分析を指示

政府は先ほど、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたと発表しました。

岸田総理大臣は情報の収集と分析に全力を挙げ 国民に対し、迅速・的確な情報提供を行うこと、航空機や船舶などの安全確認を徹底すること、それに不測の事態に備え、万全の態勢をとることを指示しました。

官邸対策室に緊急参集チームを招集

政府は、総理大臣官邸の危機管理センターに設置している官邸対策室に関係省庁の担当者をメンバーとする緊急参集チームを招集し、情報の収集と被害の確認などにあたっています。

防衛省 日本への影響がないか情報の収集

防衛省はさきほど、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性のあるものが発射されたと発表しました。

防衛省は日本への影響がないか情報の収集を進めています。

弾道ミサイルなどの発射はことし20回目

防衛省などによりますと、北朝鮮が弾道ミサイルなどを発射したのはことしに入って20回目です。

これまでに、1月に7回、2月に1回、3月に3回、4月に1回、5月に4回、6月は1回、8月に1回、9月に1回、それぞれ弾道ミサイルなどの発射を繰り返しています。

これまでの19回のうち、16回は弾道ミサイルと推定され、もう1回も弾道ミサイルの可能性が指摘されています。残りの2回は長距離巡航ミサイルなどと推定されています。

このうち、直近の今月25日に発射された弾道ミサイルについて防衛省は、北朝鮮が午前6時52分ごろ、内陸部から1発の弾道ミサイルを東方向に向けて発射したと公表しています。

最高高度が50キロ程度、変則軌道で650キロ程度、飛行し、落下したのは北朝鮮東側の沿岸付近で、日本のEEZ=排他的経済水域の外側と推定されるとしています。

弾道ミサイルなどの発射 ことしは異例の高い頻度

北朝鮮による弾道ミサイルなどの発射はことしに入り、これで20回に上り、異例の高い頻度で繰り返されています。直近では、今月25日に日本海に向けて短距離弾道ミサイル1発を発射し、韓国の専門家からは、低空で飛行して変則的な軌道で落下するロシアの短距離弾道ミサイル「イスカンデル」を改良したミサイルの可能性があるとの見方が出ています。

また北朝鮮は、ことし6月には、異なる4か所の地点から短距離弾道ミサイル合わせて8発を発射していました。

こうした中、26日から、アメリカ軍と韓国軍は日本海でアメリカの原子力空母「ロナルド・レーガン」などからなる空母打撃群が参加した共同訓練を4日間の日程で行っていて、訓練に北朝鮮が強く反発することが予想されるとして米韓両軍は、さらなる発射などに警戒を強めていました。

日米韓 発射を非難し緊密な連携を確認

外務省の船越アジア大洋州局長は、28日夜、アメリカ国務省のソン・キム北朝鮮担当特別代表、韓国外務省のキム・ゴン朝鮮半島平和交渉本部長とそれぞれ電話で協議しました。

協議では、北朝鮮が今月25日に続き、28日夜も弾道ミサイルを発射したことを非難したうえで、核・ミサイル活動の強化は、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦だという認識で改めて一致しました。

そして、最新の北朝鮮情勢をめぐって意見を交わすとともに、国連安保理決議に沿った北朝鮮の完全な非核化に向けて、地域の抑止力強化などで引き続き、日米韓3か国で緊密に連携することを確認しました。