旧統一教会「宗教2世」“信仰の強制” 救済の法整備で署名提出

親が、旧統一教会の信者のいわゆる宗教2世が「望まない信仰の強制で心理的な虐待を受けている」として、インターネットで集めた署名を国に提出し、救済する法整備を求めました。

厚生労働省や文部科学省などの担当者に署名と要望書を提出したのは、両親が旧統一教会の信者の20代の宗教2世で、今回「高橋みゆき」の名前で署名を集めました。

安倍元総理大臣が銃で撃たれて死亡した事件の翌日から、インターネットのサイトで募集を始め、27日までに7万筆余りの署名が集まったということです。

要望書では「宗教2世」は、家庭という閉鎖的な環境で望まない信仰や人生の選択を強制されるなど、心理的な虐待や人権侵害を受けているとして、現行法の活用のほか、法整備による救済を求めています。

法整備に関しては、児童虐待防止法における虐待の定義に“宗教虐待”を加えることや、子どもが布教活動に強制的に参加させられるケースを、法律で取り締まれるようにすることなどを想定しているということです。

また、宗教や家庭内であることを理由に、児童相談所や行政から取り合ってもらえずに孤立している現状もあるとして、相談窓口の整備や、実態調査などの必要性を訴えました。

記者会見では「子どもの人生選択の権利が奪われていることが問題の出発点で、被害を訴えてきた2世はたくさんいるが、残念ながら、いくら声を上げても社会に届くことはなかった。物心ついたときから価値観を押しつけられる残酷さを理解してほしい。旧統一教会だけの問題ではなく、日本の宗教全体の問題としてルール作りが必要だと思う」と話しました。

今回の活動には、旧統一教会だけでなく、ほかの宗教団体の2世からも多くの署名が寄せられているということです。

旧統一教会「世界平和統一家庭連合」は、宗教2世について、今月の会見で「葛藤が生じているのであれば、教会からアドバイスをしたり、気持ちに寄り添ったりする指導を心がけていきたい」としています。

“恋愛したら地獄に” 信仰していないのに圧力

「高橋みゆき」の名前で署名を集めた宗教2世は、旧統一教会の合同結婚式で結ばれた両親の間に生まれました。

両親は、これまでに数千万円を献金したといい、苦しい生活を余儀なくされました。

その中でも深刻に悩んだのが「自由恋愛」を禁じられたことだったといいます。

高橋さんは「自分は信仰していないのに、両親が信仰していることで大きな生活の制約を課され、すごい苦しかった。旧統一教会の教えの中で、恋愛をしてはいけないという内容がある。自分が一般の人とつきあっていることが、両親や教会の人に知られてしまった時には『地獄に行くよ』と言われるなど、いろいろな圧力を受けた」と振り返りました。

そのうえで、宗教2世の救済の必要性について「何十年も信仰心を築き上げてきた両親から生まれた子どもは非常に弱い立場で、特に未成年だと、何かおかしいと思っても、親からの要求をすべて拒否することは、なかなか難しい。親から信仰を強制させられるという問題を1つの虐待問題として捉え、人権問題として一般の人たちや、法律をつくる人たちに認識してほしい」と訴えました。