28日のアジア各地の株式市場では、人民元安が進んだことを受けて、売り注文が膨らみ、株価も大幅に下落しました。
各地の代表的な株価指数の28日の終値は、27日と比べて
▽香港で3.4%、
▽台湾で2.6%、
▽韓国で2.4%、
▽中国・上海で1.5%、
それぞれ下落しました。
人民元安による資金の流出が中国経済に与える影響への懸念が高まったほか、世界経済が後退することへの警戒感が出たことが要因で、28日のアジアの金融市場は荒れた展開となりました。

中国の人民元 2008年以来の安値水準に 上海の外国為替市場
28日の上海の外国為替市場では、世界的にドルを買う動きが進む中で人民元を売る動きが強まって、一時およそ14年8か月ぶりとなる「元安ドル高」水準をつけました。
28日の上海外国為替市場では、人民元を売ってドルを買う動きが進み、一時、2008年1月以来、およそ14年8か月ぶりとなる1ドル=7.23人民元台の「元安ドル高」水準をつけました。
アメリカの大幅な利上げが続くとの見方が広がっていることなどで世界的にドルを買う動きが進んでいるほか、中国の中央銀行、中国人民銀行が緩和的な金融政策を続けていることから米中間の政策の違いが意識されたことが要因です。
アジアの通貨では、インドのルピーやフィリピンのペソが、このところドルに対して過去最安値を更新していましたが、28日は人民元安が進む中で、中国との経済的な関係が深い韓国やタイなどの通貨も売られる動きが強まっています。
市場関係者は、「中国経済の先行きへの懸念が続いていることもあり、米中の貿易摩擦が激化していた時よりも人民元安になっている。中国当局は、急速な人民元安によって資本流出につながることを警戒し、けん制する措置を相次いで発表しているが、あまり効果は出ておらず、今後の対応が注目されている」と話しています。