バスケ女子 W杯 日本 1勝4敗で決勝トーナメント進出ならず

バスケットボール女子のワールドカップのグループリーグ最終戦で、日本は世界ランキング3位のオーストラリアと対戦し、54対71で敗れて4連敗となり、通算成績1勝4敗で決勝トーナメント進出はなりませんでした。

優勝チームがパリオリンピックの出場権を獲得できるバスケットボール女子のワールドカップは、オーストラリアで、27日、グループリーグの最終戦が行われました。

ここまで1勝3敗ですでにグループリーグでの敗退が決まっている日本は地元のオーストラリアと対戦しました。

第1クオーターはオコエ桃仁花選手が2本のスリーポイントシュートを決めるなど日本が攻撃で流れをつかみ18対16とリードを奪いました。

第2クオーターも馬瓜ステファニー選手などが積極的な攻撃でファウルを誘ってフリースローで得点を重ね、34対36と競った展開に持ち込んで折り返しました。

しかし、第3クオーターに入ると日本のシュートが決まらずわずか9得点に抑えられ、ゴール下でも高さのある相手にリバウンドを奪われて徐々に点差を広げられました。

43対56と13点を追ってスタートした第4クオーターも日本はシュートの精度に苦しみ、点差を縮めることができず、日本は54対71で敗れました。

4連敗となった日本は通算成績1勝4敗でグループリーグ5位となり、上位4チームが進む決勝トーナメント進出はなりませんでした。

恩塚亨ヘッドコーチ「日本バスケ前に進められず」

1勝4敗でワールドカップを終えた日本の恩塚亨ヘッドコーチは「選手たちは最後の最後まで日本の代表として戦う姿勢を示してくれた。ただ私が日本のバスケットを前に進めることができず、責任を感じている」と大会を総括しました。

そのうえで、今大会の日本チームの戦いについては「ディフェンスの強度と質はすばらしい成果があった。オフェンスに関してもきょうは献身的に動いてチームメイトをノーマークにしようというプレーも見られた。こうした動きを試合を通してできるようにしたい」と話し今後を見据えていました。

14得点のオコエ桃仁花「何かやってやろうと」

27日の試合でチームトップの14得点を決めたオコエ桃仁花選手は大会前に指を骨折していたことを明かしたうえで「4年に1度しかないワールドカップなので、このメンバーでできるのは最初で最後だと思って戦いました。日本のために、チームのために何かやってやろうという気持ちでシュートを打ちました」と涙ながらに話していました。

高田真希主将「悔しい経験を未来に」

キャプテンの高田真希選手は今大会の戦いについて「悔しいのひと言です」と目に涙をためて静かに振り返りました。

そのうえで「苦しい状況でも気持ちが折れずに最後まで頑張ったと思う。結果はついてこなかったが、『この悔しい経験をしたからこそ強くなれた』という未来にしていきたい」と前を向いていました。

最年少の平下愛佳「ちゅうちょなく打てた」

今大会でチームで最も多いスリーポイントシュートを決めた20歳で最年少の平下愛佳選手は「周りが『どんどんシュートを打っていいよ』と言ってくれたので、ちゅうちょすることなく打てた。1勝しかできず残念な結果になってしまったが勉強になったこともたくさんあるので、これからに生かしていきたい」と初めて日本代表として出場したワールドカップを振り返りました。

「世界一」を目指す戦略に大きな課題

東京オリンピックで銀メダルを獲得したバスケットボール女子の日本代表は、次は「世界一」を目指すという目標を持って臨んだワールドカップで、大きな課題に直面しました。

東京オリンピックではトム・ホーバス前ヘッドコーチのもと100を超えるとも言われるセットプレーを駆使し、スリーポイントを量産する戦略で世界を驚かせました。
チームを引き継いだ恩塚亨ヘッドコーチは、相手の守りに応じて選手がみずから判断し、オフェンスを選択していく「カウンターバスケット」という新たな戦略を取り入れました。

届かなかった「世界一」を実現するための戦略の変更でした。

世界ランキング37位のマリとの初戦では相手の一歩先を行くオフェンスで、高い確率でスリーポイントシュートも決まり新しい戦略は機能しているように見えました。
ところが、力のあるチームとの対戦となると、もろさが浮かび上がりました。

世界10位のセルビア、世界4位のカナダ、世界6位のフランスと続いた試合で日本は攻撃の起点となるポイントガードが相手の徹底したマークに苦しみました。

その結果、ポイントガードからうまくパスが回らないことで、攻撃が停滞し、いいタイミングでパスを受けられないことで日本の攻撃の鍵を握るスリーポイントシュートの精度にも影響がおよびました。

スリーポイントシュートの確率は大会を通じて26.8%と40%近い数字を残した東京オリンピックからは程遠い数字となりました。

また、12人の選手を次々と入れ替えながら、出場時間を分け合って戦う恩塚ヘッドコーチの「タイムシェア」という戦略も効果的ではありませんでした。

「常にエネルギーで相手を上回り続ける」ための作戦でしたが、調子のいい選手も含めて短時間で交代させてしまうことでチームがよい流れになった時にその流れを断ち切ってしまうという課題が浮かび上がったのです。
多くの課題が浮かび上がった反面、収穫もありました。

チーム最年少の20歳、平下愛佳選手は調子の上がらないシューター陣の中で奮起し、代表初選出とは思えない活躍で大会を通じてその得点力を存分に発揮しました。

28本中11本を決めたスリーポイントシュートはチームトップの成功数でした。

東京オリンピックでの銀メダルから1年。

新たな戦略が世界の壁に跳ね返された今大会をへて、目標のパリオリンピックでの金メダルに向けた道筋をどのように描いていくのか日本代表に重い課題が突きつけられました。