イタリア議会選挙 右派勝利 EUに批判的政権発足で結束に影響も

イタリアの議会選挙では、右派政党を中心とする勢力が上下両院で過半数の議席を獲得しました。EU=ヨーロッパ連合に批判的な右派政権が誕生する可能性が高まり、EU結束への悪影響が懸念されています。

イタリアで25日に行われた議会選挙は、開票作業がほぼ終わり、内務省によりますと、26日午後6時、日本時間27日午前1時時点でメローニ党首が率いる「イタリアの同胞」を中心とする右派勢力が「下院」では定数400のうち235議席、「上院」では定数200のうち112議席と、上下両院で過半数を獲得しました。

今後、政権発足に向けた動きが活発化する見通しで、第1党になった「イタリアの同胞」のメローニ党首が、来月13日の選挙後初めての議会の招集を経てイタリア初の女性首相に就任する公算が大きくなっています。

メローニ党首は、独裁者ムッソリーニを肯定する過去の発言が議論を招いたほか、EUの難民政策を繰り返し批判してきました。

また、「イタリアの同胞」と連合を組む2つの政党のうちベルルスコーニ元首相はロシアのプーチン大統領と個人的に親しく、サルビーニ元内相は、EUのロシアへの制裁を批判しています。

選挙を受けてEU=ヨーロッパ連合に批判的な右派政権が誕生する可能性が高まり、EU結束への悪影響が懸念されています。

「イタリアの同胞」メローニ党首が勝利宣言

イタリア議会選挙で第1党になることが確実になった「イタリアの同胞」のメローニ党首は日本時間の26日午前10時前に会見し、「この選挙でわれわれが主導する政権の樹立が明確に支持された」と勝利を宣言しました。

そのうえで「私たちが政権を担うことになったらすべての国民のために尽力する」と述べ、国民の団結を図ると強調しました。そして「これはゴールではない。私たちはスタート地点に立っていることを忘れてはならない。私たちの価値を証明するのはあしたからだ」と述べました。

左派 民主党が事実上の敗北宣言

左派の最大政党「民主党」のセラッキアーニ副党首は現地時間の26日午前1時すぎ、日本時間の26日午前8時すぎ、ローマの党本部で記者会見し、「これまでに明らかになっている情報からメローニ党首が率いる『イタリアの同胞』を中心とする右派勢力が今回の選挙で勝利したとみなすことができる。きょうは私たちの国にとって悲しい夜となった」と述べ、事実上の敗北宣言を行いました。

ローマ市民は

イタリア議会選挙の投票から一夜が明け、首都ローマでは右派勢力の躍進に期待する声がある一方で結果に対する不満も聞かれました。

右派政党の「イタリアの同胞」に投票した50代の女性は「政権がどうなるか見てみたい。メローニ党首は、とても賢明な人物なので、うまくやってくれると思う。雇用問題に取り組むと訴えていたので、まずはどんな対策を行うか期待したい」と話していました。

また30代の教師の女性は「変化が必要だと思っていたので結果に満足している。ガス代や電気代は各家庭が支払える限界を超えていて、新しい政府にはこうした課題を少しでも解決してほしい」と話していました。

一方、60代の年金生活の男性は右派勢力には投票しなかったと明らかにしたうえで、「これが民主主義の結果なので受け入れるしかない。雇用や経済など、たくさんの問題が山積したままだ」と話していました。

ロシアも反応

ロシア大統領府のペスコフ報道官は「ロシアに対してより建設的な姿勢を示すことができる政治勢力を歓迎する用意がある」と述べ、今後の関係改善に期待を示しました。

フランス大統領府 “隣国 友人として引き続き協力が必要”

イタリアの議会選挙の結果を受け、フランス大統領府は26日に「イタリア国民は民主的な選択を行った。フランスはこれを尊重する」とのコメントを出しました。

そのうえで「隣国として、友人として、引き続き両国の協力が必要だ。ヨーロッパの国として、共通の試練にうまく対処できるだろう」として、EUとしての結束を呼びかけました。

欧州委員会報道官「新政権との建設的な協力関係を期待」

EU=ヨーロッパ連合の執行機関にあたるヨーロッパ委員会のマメール報道官は26日、記者会見でイタリアの議会選挙の結果について受け止めを聞かれ「加盟国の選挙結果についてコメントはしない」と述べました。

イタリアでEUに批判的な右派政権が発足する可能性が強まるなか、こうした政権と協力する用意があるかを問われるとマメール報道官は「ヨーロッパ委員会やフォンデアライエン委員長は選挙を経て発足した加盟国の政府とともに働いていて、それは今回も変わらない。イタリアの新政権との建設的な協力関係を期待している」と述べました。

松野官房長官「新政権とも諸課題に取り組んでいく」

松野官房長官は記者会見で「今後新たに発足することとなる政権の見通しなどについては、他国の内政に関わることであり、コメントは差し控える」と述べました。

そのうえで「イタリアとの間では、ウクライナ、ロシア情勢、インド太平洋を含む地域情勢、グローバルな課題について、2国間やG7=主要7か国などを通じて連携を強化してきており、今後新たに発足することとなる政権との間でも国際社会の諸課題について共に取り組んでいく考えだ」と述べました。