【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻(9月23日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる23日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア 予備役の招集始まる

ロシアのSNSでは、各地で予備役の招集が始まっていることを示す動画が拡散しています。

このうちロシア極東・サハ共和国のネリュングリでは、22日、多くの男性が家族らと抱き合い別れを惜しんだあと、次々とバスに乗り込む様子が見られました。

また、22日に撮影された別の動画では、首都モスクワの男子学生が「招集令状が届き、午後3時に集まるよう指示された。そして今から出発すると告げられた。きょう出発するとは思わなかった」と話していました。

また男子学生の父親は「大統領令では、学生は招集されないはずだ。説明もなく息子を連れて行くなんて、間違っている」と話していました。

ゼレンスキー大統領 「クリミアとドンバスで起きたことと同じ」

「住民投票」だとする活動について、ウクライナのゼレンスキー大統領は、22日に公開した動画で「占領地での偽の住民投票という茶番は、2014年にクリミアとドンバスで起きたことと同じだ」と非難しました。

そのうえで、実施されれば、ロシアは外交交渉の可能性をみずから葬り去ることになるとロシアをけん制しました。

また、プーチン政権が、30万人の予備役を動員するとしていることについて、発表前から把握していたとしたうえで「ロシアの指導者は最大100万人もの男性を軍に入れる準備をしている。プーチン政権は現在沈黙しているがこれは重要なことだ」と述べ、さらなる動員の可能性を指摘しました。

そして、「動員によってウクライナに対する戦争は、大多数のロシア人にとって、各家庭の問題になった。テレビやインターネット上のものではなくなったのだ」としたうえで、ロシア国民に対して、これ以上、死傷者を増やさないために沈黙せずにプーチン政権に抗議することなどを呼びかけました。

岸田首相 ウクライナ首相と会談

ニューヨークを訪れている岸田総理大臣は、ウクライナのシュミハリ首相と会談し、ロシアによる侵攻を一刻も早く止めるため、引き続き国際社会と結束して対ロ制裁やウクライナ支援を継続していく考えを伝えました。

この中で岸田総理大臣は、ロシアのウクライナ侵攻を一刻も早く止めるため、引き続きG7=主要7か国をはじめとした国際社会と結束して取り組みを進めていく考えを伝えました。

また親ロシア派勢力が、ウクライナでロシアへの編入に向けた住民投票の実施を決めたと表明したことを非難するとともにロシアの核兵器による威嚇や使用はあってはならないという立場を重ねて示した上で、強力な対ロ制裁とウクライナ支援を継続していく考えを伝えました。

東部ルハンシク州の市長「自由な投票など不可能」

プーチン政権がロシアへの一方的な併合をねらうウクライナの東部や南部で、「住民投票」だとする組織的な活動が予定される中、ロシア軍の占領下にある州や市のトップがNHKの取材に応じ、「自由な投票など不可能だ」などと非難しました。

プーチン政権は、ウクライナの東部や南部で支配する地域の一方的な併合をねらい、親ロシア派勢力が23日から27日にかけて「住民投票」だとする活動を始める予定です。
こうした中、大部分が占領されている東部ルハンシク州のハイダイ知事が22日、NHKの取材にオンラインで応じ「『住民投票』は、ウクライナ軍による反撃の成功と直結している」と述べ、ロシア軍は東部ハルキウ州で奪還が進み、焦っていると指摘しました。

そのうえで「ロシア軍は占領に反対するデモ隊に発砲したあと、大勢の人をバスで連れてきてロシア軍を歓迎する住民だと称したことがある」と述べ、「住民投票」についても、実態を反映したものにはならないとの見方を示しました。

またルハンシク州の要衝で、6月に占領されたセベロドネツクのストリュク市長も22日、取材に応じ「ロシア側は『住民投票』が予定されている23日に、個人情報の提供と引き換えに住民に支援物資を配ると発表している。投票したくない人を買収するものだ」と指摘しました。

そのうえで、ロシア側が市民の行動を厳しく監視する中で「自由な投票など不可能だ」と非難し、投票に正当性はないと訴えました。

ウクライナ政府 およそ270人の捕虜の交換が成立と発表

ウクライナ政府は22日までに、ロシアとの間でおよそ270人の捕虜の交換が成立したと発表しました。

このうちウクライナ側に引き渡されるのは、215人で、激戦となった東部のマリウポリで戦っていた「アゾフ大隊」の隊員108人のほか、国境警備隊員、警察官などです。

外国人も10人引き渡され、この中には、親ロシア派の裁判所で死刑判決を言い渡されたイギリス人や、モロッコ人なども含まれるとしています。

一方、ロシア側には56人が引き渡され、ロシア国防省は、「55人の兵士がウクライナから戻った」と発表しました。

残る1人は、ロシア側に軍事機密を流したとして4月、ウクライナで拘束された、ロシア寄りの野党の幹部で、プーチン大統領とも親交が深いメドベチュク氏だということです。

ロイター通信は、今回の捕虜交換の規模は、2月に軍事侵攻が始まって以来、最も大きいと伝えています。