英トラス首相 国連総会で演説 “ロシアや中国と対決姿勢強化”

イギリスのトラス首相は国連総会で演説し「自由、主権、民主主義を支持する」と述べ、ウクライナへの全面的な支援を続けるとともに、ロシアや中国との対決姿勢をさらに強化する構えを示しました。

今月就任したイギリスのトラス首相は21日、国連総会で初めて演説しました。

この中でまず、今月8日に死去したエリザベス女王が1957年に国連で行った演説に触れ、「女王陛下は、高い理想を掲げるだけでなく、それを実現する政治的意思を持つ重要性を説いた。今こそ理想を守るため戦い、人々のためにそれを実現しなければならない」と強調しました。

そして「自由主義諸国には、権威主義的な国の侵略を押し返し、この戦略的競争の時代を勝ち抜くための経済的な力が必要だ」と述べ、ロシアや中国に依存しないエネルギーや資源などの供給網を確立するため、TPP=環太平洋パートナーシップ協定への加入などを進めているとしました。

さらに、ウクライナ情勢について「プーチンは予備役の兵を恐ろしい運命に送り込み、みずからの壊滅的な失敗を正当化しようとしている」と批判し、ウクライナへの軍事支援を今の規模で続けるか、増やしていくことを明らかにしました。

そのうえで「この任務へのイギリスの傾倒は全面的なものだ。われわれは世界中の友人や同盟国とともに自由、主権、そして民主主義を支持する」と述べ、ロシアや中国との対決姿勢をさらに強化する構えを示しました。