スカーフかぶり方で逮捕の女性死亡 抗議デモで死者も イラン

イランでスカーフのかぶり方をめぐり逮捕された女性が死亡したことを受けた抗議デモが、各地に広がっています。
地元メディアは、デモ隊と治安当局の衝突などで合わせて6人が死亡したと伝えていて、混乱が収束する見通しは立っていません。

イランの首都テヘランで今月16日、スカーフのかぶり方が不適切だとして警察に逮捕されていた22歳の女性、マフサ・アミニさんが急死しました。

警察が心臓発作が原因だと説明しているのに対し、死亡したのは警察官による暴行が原因だとして抗議するデモが各地に広がっています。

地元メディアによりますと、デモ隊と治安当局の衝突などによって、これまでに治安当局者1人を含む合わせて6人が死亡したほか、多くのけが人が出ているということです。

厳格なイスラム国家のイランでは、女性は公共の場でスカーフなどで髪を隠すことが義務づけられ、保守強硬派のライシ政権は取り締まりを強化していました。

デモが広がる背景には、こうした取り締まりに加え、アメリカの制裁によって低迷する経済を立て直すことができていないとして市民が政権に対して不満を募らせてきたことがあるという指摘も専門家から出ています。

イラン政府は、SNSの利用を規制するなどして、デモの沈静化を図っていますが、混乱が収束する見通しは立っていません。