台風14号で地盤の緩みや斜面に亀裂も 土砂災害に注意呼びかけ

日本列島を縦断した台風14号の影響で、西日本では記録的な大雨となったほか猛烈な風が吹きました。専門家は雨で地盤が緩んでいるうえ、風で樹木が大きく揺さぶられて斜面に亀裂が入っているおそれがあり、雨による土砂災害のリスクが高まっているとして注意を呼びかけています。

台風14号が接近、上陸した九州や四国、中国地方では発達した雨雲がかかり続け、記録的な大雨となりました。

宮崎県美郷町南郷では今月15日の降り始めからの雨量が985ミリに達したほか、愛媛県内子町の獅子越峠では19日夜までの48時間の雨量が514.5ミリ、広島県の廿日市市津田では19日午後3時半までの24時間に降った雨の量が369ミリと、いずれも観測史上、最も多くなりました。

また、長時間にわたって台風の暴風域に入り、九州や四国では最大瞬間風速が50メートル前後に達し、転倒してけがをしたり建物が壊れたりするなどの被害が相次ぎました。
地盤災害のメカニズムに詳しい鹿児島大学の地頭薗隆教授によりますと、記録的な大雨となった地域では、大量の雨水がしみこんで地盤が緩み、1週間程度は土砂災害の危険性が高い状態が続くということです。

地頭薗教授はさらに、暴風で斜面の樹木が大きく揺さぶられたことで根元にできた亀裂から水が入り込みやすくなっていて、今後、少しの雨で斜面が崩れる危険性が高まっていると指摘しています。

昭和61年7月には鹿児島市で梅雨前線による大雨で崖崩れが発生し、18人が死亡しました。

地頭薗教授によりますと、崩れた斜面の中には前の年の8月に上陸した台風の影響で木が倒れたり傾いたりしていたところがあり、暴風が土砂災害を引き起こした要因の1つと考えられるということです。

台風は温帯低気圧となり日本の東へ遠ざかりましたが、今週末には湿った空気が流れ込む影響で、西日本から北日本の広い範囲で再び雨が降ると予想されています。

地頭薗教授は「台風が近づいた地域では、大雨だけでなく風によって斜面がダメージを受けている。今後、少しの雨でも崖崩れが起きるおそれがあり、自宅周辺の木が傾いていないかや斜面に亀裂がないかチェックしておくことが重要だ」と話しています。