政府 物価高騰の追加対策 予備費から3兆4847億円支出決定

政府は、住民税が非課税の世帯を対象に1世帯当たり5万円を給付することなどを盛り込んだ、物価高騰の追加対策の費用として、今年度の予備費からおよそ3兆4847億円を支出することを決めました。

政府は20日の閣議で、物価高騰の追加対策の費用として今年度の予備費から合わせて3兆4847億円を支出することを決めました。

内訳を見ますと、▽電気やガス、食料品などの値上がりで生活に困っている人たちを支援するため、住民税が非課税の世帯を対象に1世帯当たり5万円を給付する費用として8539億円を支出します。

さらに▽ガソリンなど燃料価格の上昇を抑えるため、石油元売り各社に支給している補助金を年末まで継続するための費用として1兆2959億円を支出し、ことし1月分から実施されている燃油価格上昇対策には、総額3兆円を超える予算が投入されることになります。

今回の決定で、今年度の新型コロナ・物価対策の予備費は残り1兆2611億円となります。

先月の消費者物価指数の上昇率が7年10か月ぶりの水準となるなど、資源価格の高騰や円安で物価上昇が続く中、政府は来月中に新たな経済対策をまとめる方針で、今後は、その規模や内容が焦点となります。

松野官房長官「価格上昇から国民の生活守る必要」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で、「輸入物価が高い水準で推移してきたことにより、食料品価格や電気代、ガス代などのエネルギー価格が上昇したことが主因であり、こうした価格上昇から国民の生活を守っていく必要がある」と述べました。

そのうえで「きょうの閣議でおよそ3.5兆円の予備費の使用を決定したところであり、先般取りまとめた物価高騰に対する追加策などを速やかに実行していく。食料品やエネルギーなどの価格高騰の抑制、特に影響の大きい低所得層への支援、それに地域の実情に応じた、きめこまやかな支援などを進め、価格高騰の影響緩和を図っていく」と述べました。

鈴木財務相「物価高騰に対する追加策を迅速に」

物価高騰対策のための予備費の支出について、鈴木財務大臣は閣議の後の会見で「足元の物価高騰に対する追加策を迅速に届けるために予備費の支出を決めた。今後も新型コロナウイルスや物価高騰対策に万全を期す」と述べました。

そのうえでガソリンなど燃料価格の上昇を抑えるため、石油元売り各社に支給している補助金が、これまでの支出と合わせて総額で3兆円を超えることについて、鈴木大臣は「今後の事業の在り方については原油価格の動向や、そもそもこの事業が時限的、緊急避難的な事業であるという趣旨をしっかりと踏まえなければならない」と述べて、今後の原油価格の動向次第では、事業の見直しも必要だという考えを示しました。

浜田防衛相「自衛隊の部隊運用 燃料費約507億円を支出」

浜田防衛大臣は閣議のあとの記者会見で、原油価格の高騰に対応するため、今年度の予備費から自衛隊が部隊を運用するための燃料費としておよそ507億円を支出することを明らかにしました。

そのうえで、「調達額が大幅に上昇している中で、1、2か月以内に燃料購入のための予算が不足する見込みであり、今月中に予算を措置しなければ自衛隊の持続的な部隊運用に支障が生じる」と述べました。

野党「対象範囲を拡大し給付金も増額すべき」

政府が、今年度予算の予備費からおよそ3兆4847億円の支出を閣議決定したことを受けて、衆議院予算委員会は、20日午後、理事懇談会を開き、財務省の担当者から内容について説明を受けました。

これに対し、野党側からは、住民税が非課税の世帯を対象に1世帯あたり5万円を給付することについて「対象範囲を拡大し、給付金も増額すべきだ」といった意見などが出されました。

野党側の筆頭理事に内定している立憲民主党の逢坂代表代行は、理事懇談会のあと記者団に対し「物価高対策はもっと早くやるべきで、あまりにも遅いし、内容も不十分だと言わざるをえない。国会を開いてわかりやすい質疑を行うことが 重要だ」と述べました。

共産 小池書記局長「予算委員会を直ちに開き審議すべき」

共産党の小池書記局長は、記者会見で「今までやってきた対策の延長にすぎない。5万円の給付は、住民税が非課税の世帯に限定すれば、子育て世代で教育費や食費の負担が重い家庭や、非正規雇用で収入が激変している家庭は対象にならず、極めて不十分だ。国会の予算委員会を直ちに開き、予備費の内容などについて審議すべきだ」と述べました。