ゼレンスキー大統領 攻勢の構え ロシア軍 原発に向け攻撃か

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア軍に占領された地域のさらなる解放に向けて攻勢を強める構えです。
一方、ロシア軍は南部ミコライウ州にある南ウクライナ原子力発電所に向けて攻撃を行った可能性があり、安全性への懸念が高まりそうです。

ウクライナ軍は東部ハルキウ州のほぼ全域をロシア軍から解放したと発表し、さらに東のドンバス地域に部隊を進めているものとみられます。

ゼレンスキー大統領は18日、これまでの戦果を強調したうえで、南部のヘルソンや東部のマリウポリなどロシア軍に占領された地域の解放に向けて、攻勢を強める構えを示しました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は18日、「ロシア軍は、ハルキウ州でウクライナ軍の反撃を受け、人員と装備で大きな被害を受け複数の装甲車部隊が、事実上壊滅した可能性が高い」と指摘しています。

一方、ゼレンスキー大統領は19日、「ミコライウ州にある南ウクライナ原子力発電所からおよそ300メートルの場所にミサイルが落下し、短時間の停電が発生した」と明らかにしました。

ウクライナの原子力発電公社エネルゴアトムによりますと、施設内の建物の窓ガラスが割れましたが3基ある原子炉に損傷はなく、職員などにけがもないということです。

ゼレンスキー大統領は「ロシアは全世界を危険にさらしている。手遅れになる前に止めなければならない」と述べ、非難を強めています。

今月に入って、ウクライナでは発電所やダムなどインフラ施設への攻撃が相次ぎ、イギリス国防省はロシア軍がウクライナの士気をくじこうと、標的を拡大した可能性が高いと分析しています。

ウクライナでは南東部のザポリージャ原子力発電所で砲撃が相次いでいますが、南ウクライナ原発に向けてロシア軍が攻撃を行った可能性があり、安全性への懸念が高まりそうです。