ゼレンスキー大統領 “ロシア軍占領地域解放に向け攻勢” 強調

ロシアの軍事侵攻が続くウクライナの東部や南部でウクライナ軍は反転攻勢を強め、ゼレンスキー大統領は「これまでに一連の勝利をおさめることができた」としたうえで、ロシア軍に占領された地域の解放に向けてさらに攻勢を続ける姿勢を改めて強調しました。

ウクライナ軍は東部ハルキウ州のほぼ全域をロシア軍から解放したと発表し、さらに東のドンバス地域に部隊を進めているものとみられます。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、18日に公開した動画で、東部や南部での反転攻勢について「ウクライナ軍はこれまでに一連の勝利をおさめることができた」と成果を強調しました。

そのうえで「もしかしたら今は小康状態に見えているかもしれない。しかし、これは小康状態ではなく、次の段階に進むための準備だ」と述べ、南部のヘルソンや東部のマリウポリなど、ロシア軍に占領された地域の解放に向けて、さらに攻勢を続ける姿勢を改めて強調しました。

こうした中、ロシア軍から解放されたハルキウ州のイジュームでは多くの人が殺害され埋められたとみられる集団墓地が見つかり、ウクライナ当局による捜査が続いています。

イジュームの市長は18日、テレビ番組の中で、すべての作業を終えるのには、2週間ほどかかるとの見通しを示しました。

またロイター通信によりますと、ハルキウ州のデルハチ周辺では、ロシア軍によって地下室に市民らが閉じ込められ、拷問が行われたとみられる場所が見つかったということです。

映像には、鉄格子のある部屋に薄黒く汚れたマットレスや毛布が置かれ、皿が散乱している様子が映っているほか、砲撃の影響で天井などが大きく壊れている様子も確認できます。

デルハチのザドレンコ市長は「ここがロシア側が市民たちを閉じ込めていた拷問用の地下室だ。市民はロシア軍から必要な情報を聞き出された後、この部屋に閉じ込められた。食べ物や医療の提供もなかった」と述べ、悲惨な状況だったとしてロシア側を非難しました。