ウクライナ東部で集団墓地 ゼレンスキー大統領がロシア非難

ウクライナがロシア軍から解放した東部ハルキウ州の重要拠点イジュームで、多くの人が殺害され埋められたとみられる集団墓地が確認されました。
これについて、ゼレンスキー大統領は、先に400人以上が殺害されたとみられる首都近郊のブチャを引き合いに「ロシアはブチャでやったことをイジュームで繰り返した」と述べ、ロシアを厳しく非難しました。

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナの東部や南部で、ウクライナ軍が反転攻勢に出ていて、このうち、ほぼ全域がロシア軍から解放された東部ハルキウ州では、重要拠点のイジュームで多くの人が殺害され埋められたとみられる集団墓地が確認されました。

これについて、ゼレンスキー大統領は16日に公開した動画で、先に400人以上が殺害されたとみられる首都近郊のブチャを引き合いに「市民が拷問や屈辱的な扱いを受けた明確な証拠がある。ロシアはブチャでやったことをイジュームで繰り返した」と述べ、ロシアを厳しく非難しました。

そのうえで「これまでに440を超える墓が見つかっていて、埋葬された人の数に言及するのは時期尚早だ」と強調しました。

また、捜査を進めている検察当局の責任者は、NHKなど記者団に対し「首の周りに縄が巻かれたり手を縛られたりした遺体が複数見つかっており、拷問を受けたと見られる。この場所だけで市民500人以上が埋められた可能性がある」と述べました。

一方、アメリカのブリンケン国務長官は16日の記者会見で「こうした残虐行為をした者や、命令した者の責任を追及すると明確にすることが、極めて重要だ」と述べ、各国と協力してロシアの戦争犯罪を追及する姿勢を強調したほか、国連人権高等弁務官事務所の報道官も、現地調査を行う考えを示しています。