プーチン大統領 ウクライナ軍反転攻勢でも東部侵攻継続の考え

ロシアのプーチン大統領は記者会見で、ウクライナ軍の反転攻勢について「どのような終わりを迎えるか見てみよう。われわれの作戦の主要な目標は、東部ドンバス地域の解放だ」と述べ、侵攻を継続する考えを改めて示しました。

中央アジア・ウズベキスタンのサマルカンドでは、中国とロシアが主導する枠組み、上海協力機構の首脳会議が16日まで行われ、中国の習近平国家主席やロシアのプーチン大統領、それにインドのモディ首相などが参加しました。

このうちプーチン大統領は、首脳会議の全体会合で「上海協力機構は世界最大の地域の枠組みであり、国際的な問題解決への役割が大きくなっている」と述べ、欧米への対抗軸として上海協力機構の勢力拡大を図りたい意向を強調しました。

プーチン大統領は全体会合のあと、一部のメディアを集めて会見し、「欧米側は何十年にもわたって、ロシアを崩壊させるという考えを培ってきた。そのために欧米側はウクライナを利用し、これを防ぐために特別軍事作戦が始まった」と主張し、軍事侵攻を重ねて正当化しました。

そのうえで、「ウクライナは活発な反撃作戦を開始すると発表したが、どのような終わりを迎えるか見てみよう。特別軍事作戦の主要な目標は、東部ドンバス地域の解放だ。われわれは急いでおらず、本質的に変わることはない」と述べ、侵攻を継続する考えを改めて示しました。

またウクライナ側との停戦交渉が暗礁に乗り上げていることについては、「ウクライナが何をしようとしているのか、わからない。彼らがほぼ毎日、立場を変えるからだ」と主張しました。

そのうえで、ウクライナのゼレンスキー大統領との会談の可能性について「彼らが拒否している。第1の条件は彼らが同意することだが彼らは望んでいない」と述べ、交渉はウクライナ次第だとする主張を展開しました。

このほかプーチン大統領は、ロシア軍が掌握したウクライナのザポリージャ原子力発電所だけでなく、ロシア領内の原子力施設やその周辺に対しても、ウクライナ側がテロ行為を試みたと一方的に非難しました。