ペリリュー島で旧日本軍戦車 初の発掘調査 遺骨収集にも期待

太平洋戦争の激戦地となったパラオのペリリュー島で、島に埋もれたままになっている旧日本軍の戦車の発掘調査が初めて行われることになりました。
戦車の中には、戦没者の遺骨が残されている可能性が高いとみられ、遺骨の収集や身元の特定が進むことが期待されています。

太平洋の島国パラオのペリリュー島では1944年、旧日本軍とアメリカ軍の間で激しい戦闘が行われ、日本側だけで1万人以上が亡くなりました。

国の調査で、これまでにおよそ7800人の遺骨が見つかっていますが、今も多くの遺骨が残されているとみられています。

こうした中、激しい戦闘が行われた島の南西部で、戦後、地中に埋もれたままとなっている旧日本軍の戦車の発掘調査が、18日から初めて行われることになりました。

厚生労働省から委託されて調査を行う日本戦没者遺骨収集推進協会によりますと、現場周辺ではおよそ130人が所属していた戦車隊の戦車が埋もれていて、車内には戦没者の遺骨が残されている可能性が高いということです。

おととしからパラオ政府に発掘調査を申請していた結果、許可が下りたということで、今回の調査では場所を特定できている戦車のうち1台を掘り出し、遺骨や遺品が残されていないか確認することにしています。

日本戦没者遺骨収集推進協会は「遺骨が見つかれば当時の隊員名簿などと照らし合わせることで身元の特定が進むことも期待できる」としています。

遺族「待ちに待ったという思いです」

ペリリュー島に展開した旧日本軍の戦車隊の隊長の孫で、今回の調査に遺族会の代表として参加する城戸利子さんは、「長年、現地で眠ったまま、帰国がかなわなかった祖父や戦友たちの遺骨を帰国させることができるかもしれない機会ができて、待ちに待ったという思いです。遺族の皆さんの期待に応えられるよう現地で頑張ってきます」と話していました。

海外で戦死した110万人の遺骨が未収容

厚生労働省によりますと、先の大戦で戦死した日本人の遺骨収集は終戦の7年後から始まりましたが、海外で亡くなった人のうち、およそ110万人の遺骨が今も収容できていません。

遺族の高齢化が進む中、2016年には戦没者の遺骨収集を国の責務と位置づけた法律が施行され、2024年度までに遺骨収集を集中的に進めるとしています。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって、おととし2月以降、海外での収集活動は中止され、去年は1件も行われませんでした。

海外での遺骨収集は、ことし1月にマリアナ諸島で再開され、ペリリュー島で行われれば、再開後では3つの目の地域になるということです。