米 ウクライナの穀物盗難に関与のロシア当局関係者などに制裁

アメリカのバイデン政権は15日、ウクライナで穀物の盗難に関わったとするロシア当局の関係者などに対し、資金の凍結などの制裁を科したと発表しました。

アメリカのブリンケン国務長官は15日、声明を出し、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシア当局の関係者など22人と31団体に対して資金の凍結などを科したと発表しました。

このうち5人は、ロシア軍が掌握したウクライナ南東部ザポリージャ州などの地域で、小麦などウクライナの穀物の盗難に関わったとしています。

ブリンケン長官は「世界の食料不安に拍車をかけた」と強く批判し、世界の食料供給を悪化させているのはロシアだとして、責任を追及する構えを強調しました。

一方、イェール大学などが参加するグループは15日、報告書を発表し、衛星画像などを解析した結果ロシアがウクライナに侵攻を開始して以降、ウクライナの穀物の貯蔵能力のおよそ15%が被害を受けたという分析を明らかにしました。

このうち、ことし5月にザポリージャ州を上空から撮影した画像では、穀物倉庫の屋根が壊され、煙が上がる様子が確認できます。

報告書では「意図的かつ無差別に穀物倉庫を標的にすることは、戦争犯罪や人道に対する罪にあたる可能性がある」として、厳しく非難しています。