「全数報告」見直し前に 患者総数把握できるようシステム改修

新型コロナの感染者について、医療機関に詳しい報告を求める対象を重症化リスクの高い人に限定する措置が今月26日から全国一律で始まるのを前に、報告の対象から外れる人も含む患者の総数を把握できるよう、厚生労働省は医療機関などが入力するシステムを改修しました。
厚生労働省は今後、必要な情報が得られるようにするための対策を進めることにしています。

医療機関に求めていたすべての新型コロナ患者の詳しい報告について、厚生労働省は、65歳以上の人や入院が必要な人など重症化リスクの高い人に限定する運用を今月26日から全国一律で始めます。

医療機関の負担軽減などを目的とした措置ですが、患者の総数などは把握する必要があるとして医療機関が入力する「HER-SYS」と呼ばれるシステムの改修を進めていました。

今回の改修で、詳しい報告の対象から外れる人も含めた患者の年代別の数と合計の人数が入力できるようになったということです。

医療機関や保健所では16日から試験的に操作できるようになる予定で、厚生労働省は事前に操作方法を確認したうえで運用開始までは報告で使用しないよう注意を呼びかけています。

また、厚生労働省は運用開始後、詳しい報告の対象が限定されるためクラスターの把握が困難になるとして、自治体に対し、リスクの高い高齢者施設などでは適切な対策をとって感染拡大を防ぐよう求めているほか、把握が難しくなる懸念もある自宅療養者の数などについても今後、必要な情報を把握するための方法を示すとしています。