エリザベス女王 弔問の列は7キロに 寺院周辺は警備も強化

8日に死去したイギリスのエリザベス女王の国葬が行われるロンドンのウェストミンスター寺院周辺では周辺にバリケードが設けられて車の通行が大幅に制限され、警備が強化されています。
一方、弔問に訪れる人々の列はさらに長くなり、15日午後の時点で、7キロに達しました。

エリザベス女王のひつぎは14日、首都ロンドンのウェストミンスターホールに安置され、一般の人による弔問が夜通しで行われています。

周辺の道路にはあちらこちらにバリケードが設けられ、車両の通行が大幅に制限されているほか、応援の警察官が全国各地から派遣され、警備が強化されています。
弔問に訪れる人たちの列はさらに伸び、15日午後の時点で最後尾までの距離はおよそ7キロに及び、人々は整然と列をつくって、ウェストミンスターホールに向け歩みを進めていました。

列に並んでいた女性の1人は「長い列ですが覚悟してきました。長年、国のために奉仕をしてくれた女王に感謝の気持ちを伝えたいと思います」と話していました。

また、北部の町から列車で2時間かけてやってきたという女性は「ここに来ることができて光栄です。ウエストミンスターまであと5、6時間はかかると思いますが、最後にできることをと思いやってきました」と話していました。

一方、地元メディアによりますと一般による弔問が始まった14日だけでおよそ300人が列に並んでいる途中で気分が悪くなるなどして、手当てを受けたということです。

4日前から夜通しで国葬を待つ人の姿も

19日にエリザベス女王の国葬が行われるウェストミンスター寺院の前では4日前の15日朝から、歩道に陣取り、夜通しで待つという人の姿も見られました。

このうちロンドン郊外に住むシリン・トープさんは友人と2人で15日午前8時に到着したといいます。

2人は食料のほか、防寒着や寝袋、それにテントなどを持ってきていて、4日間、この場所で待ち続けるということです。

トープさんは「イギリスを偉大にした女王に敬意を払い、最もよい場所でさよならを言いたいと思い、少し早いですがやってきました。早朝は寒いかもしれませんが、私たちにとっては特別な時間です」と話していました。

王政反対の抗議活動 強制的な排除を行わない方針 警察

一方、エリザベス女王の国葬に向けて王政に反対する抗議活動も予想されるなか、警察は強制的な排除を行わない方針を明らかにしました。

イギリスでは、今月11日、北部スコットランドのエディンバラで「王政廃止」などと書いたプラカードが掲げられたほか、12日には、ロンドンのウェストミンスターホール前で「私の王ではない」と書かれたプラカードが掲げられ、抗議者が警察に囲まれて退去させられる一幕がありました。

こうした抗議は各地で相次ぎ、治安を脅かしたなどとして逮捕者も出ているほか、警察が抗議を取り締まる映像がSNS上で出回ったこともあり、警察の対応は不当だとして批判の声もあがっています。

こうした中、ロンドン警視庁は12日「誰にも抗議する権利はあり、そのことをすべての警察官に明確にしておく」とする声明を出して強制的な排除を行わない方針を明らかにし、国葬を前に警備の在り方をめぐる議論が起きています。

ロンドン ヒースロー空港 19日の一部の便の発着予定変更

イギリス・ロンドンのヒースロー空港は、エリザベス女王の国葬が行われる19日に市内での航空機による騒音の影響を減らすため、一部の便の発着予定が変更されることを明らかにしました。

ロンドン市内では通常、ヒースロー空港を発着する航空機の音が頻繁に聞こえますが、19日の国葬では正午前に2分間の黙とうがささげられることから、この時間帯の発着便について運航計画の変更を航空会社に求めたということです。

発着便の情報は、空港のホームページなどで確認してほしいとしています。

さらに、国葬のあと、女王のひつぎが空港の西にあるウィンザー城に運ばれることから、周辺の道路では通行止めや混雑が予想されるとして、空港の利用者には車ではなく、公共交通機関での移動を呼びかけています。

このほか、当日は空港内のテレビ画面で国葬の様子が中継されるほか、一部の店の営業を休止するとしています。

エリザベス女王の国葬 19日の流れを発表 イギリス王室

イギリス王室は、エリザベス女王の国葬が行われる今月19日の流れを発表しました。

それによりますと、エリザベス女王のひつぎが安置されているロンドンのウェストミンスターホールでの一般の人による弔問は、19日の日本時間午後2時半に終了します。

ひつぎは、午後6時35分すぎ、ウェストミンスターホールから外に待機している、大砲をのせるための海軍の「砲車」に運ばれます。

ひつぎを載せた砲車は、午後6時44分に出発し、国葬が行われるウェストミンスター寺院に向かいます。砲車を引いて運ぶのは142人の海軍兵士です。この砲車を含めた葬列は、イギリス空軍などの200人で構成された音楽隊が先導し、ひつぎのすぐ後ろには、チャールズ国王やウィリアム皇太子などが続きます。

葬列は、午後6時52分、ウェストミンスター寺院の西門に到着し、ひつぎは寺院の中に運び込まれます。

国葬は午後7時から行われます。

一方、各国から訪れる元首などは、まずロンドン市内の別の場所に集まり、まとまってウェストミンスター寺院に移動し国葬に参列することになっています。

国葬は、およそ1時間にわたって行われます。イギリス国教会の最高位の聖職者であるカンタベリー大主教の説教などが午後7時55分ごろまで続きます。そのあと、イギリス全土で2分間の黙とうがささげられます。

国葬のあと、ひつぎはチャールズ国王やウィリアム皇太子らに伴われてロンドン郊外にあるウィンザー城に向かいます。

そして城の敷地内にあるセントジョージ礼拝堂に運ばれ、夫のフィリップ殿下も眠る一角に埋葬されます。

テムズ川の橋 女王イメージの紫色に 追悼のライトアップ

今月19日に国葬が行われるイギリスのエリザベス女王を追悼するため、首都ロンドンを流れるテムズ川の橋が女王をイメージした紫色にライトアップされました。

15日からライトアップされたのは、ロンドン中心部を流れるテムズ川に架かる9つの橋です。

エリザベス女王をイメージして、女王が晩年、よく着ていた洋服の色でもある紫色に彩られました。

このうち時計台「ビッグベン」のたもとに架かるウェストミンスター橋は7つのアーチが鮮やかな紫色に、観光名所のタワーブリッジは深みのある紫色に、照らされました。

また、エリザベス女王が死去した場合の一連の対応には「ロンドン橋作戦」という名前が付けられていましたが、そのロンドン橋も時とともに色合いが変化する紫色にライトアップされました。
川岸では、大勢の市民がウェストミンスターホールに安置された女王のひつぎを弔問するために夜になっても列を作り、橋や川を眺めたり写真を撮ったりしていました。

家族とともにおよそ5時間並んでいるという女性は「ライトアップのことは知りませんでしたが、とても美しいです。国全体が亡き女王のことを思い気持ちを1つにしていることを示していると思います」と話していました。

テムズ川に架かる橋のライトアップは、国葬が行われる19日まで続きます。