モデルナ 「BA.5」対応成分含むワクチン 近く日本で承認申請へ

新型コロナウイルスのワクチンを開発したアメリカの製薬企業、モデルナのバンセルCEOがNHKのインタビューに応じ、近く、オミクロン株の「BA.5」に対応する成分を含むワクチンの承認申請を行う方針を示すとともに、将来的には、コロナとインフルエンザなどに一度で対応できるワクチンの開発を進めていると述べました。

モデルナのステファン・バンセルCEOは14日、東京都内でNHKのインタビューに応じました。

この中でバンセルCEOは、オミクロン株の「BA.5」に対応する成分を含むワクチンについて、準備が整い次第、日本での承認申請を行う方針を示したほか、新型コロナのワクチンに使われているのと同様、メッセンジャーRNA(mRNA)を使ったインフルエンザのワクチンについて来年の実用化を想定していると述べました。

そして、インフルエンザのワクチンについて「メッセンジャーRNAの技術を使うと2か月で製造できるため、春から夏にかけて日本の当局と話し合って、どのタイプのウイルスに対応するのか検討し、必要性に基づいてワクチンを作ることができる」と述べ、実際に流行する可能性が高いタイプを確認したうえで効果の高いワクチンを供給できると説明しました。

さらに、バンセルCEOは「呼吸器感染症のウイルスは多くあるので、ワクチンも多くの人にとって便利で、シンプルなようにしたいと考えている」と述べ、一度に新型コロナとインフルエンザ、それに、子どもに多い「RSウイルス感染症」の3つの感染症に対応するワクチンの開発を進めていることを明らかにしました。

また、バンセルCEOはワクチン開発だけでなく、さまざまな病気の治療に技術を生かすため、研究者が遺伝子の情報に基づいて設計したメッセンジャーRNAを、モデルナが合成して提供する計画を始めているとしたうえで、日本の大学や研究機関と連携する考えを示し「専門家の深い知見を私たちの技術と組み合わせることで、よりよいものを提供したい。日本とモデルナが協力し、新しいテクノロジーを開発して世界中に届けたい」と述べました。