「出世払い型奨学金」は、在学中の授業料を国が立て替え、学生は卒業後の所得に応じて支払う新たな制度で、政府は再来年度からまずは大学院での導入を目指しています。
その具体的な内容を検討する、検討会議が13日に文部科学省で始まりました。
「出世払い型奨学金」導入検討へ 卒業後の所得に応じて支払い
大学院の在学中は授業料を徴収せず、卒業後の所得に応じて支払う「出世払い型奨学金」の導入に向けた、国の検討会議が始まりました。
年内に具体的な内容を取りまとめ、再来年度の導入を目指しています。


会議では、検討課題の整理が行われ、対象となる学生の要件や奨学金の金額、それに既存の奨学金制度との違いなどについて議論を深める必要があるとされました。
委員からは「対象者を所得などで絞らず、原則全員としたほうが利用しやすいのでは」とか「大学院だけでなく大学の奨学金と整合が取れた仕組みにする必要がある」といった意見も出されていました。
文部科学省によりますと、大学生や院生、およそ116万人が利用している貸与型の奨学金では卒業後の返済に苦しむ人もいるということです。
委員からは「対象者を所得などで絞らず、原則全員としたほうが利用しやすいのでは」とか「大学院だけでなく大学の奨学金と整合が取れた仕組みにする必要がある」といった意見も出されていました。
文部科学省によりますと、大学生や院生、およそ116万人が利用している貸与型の奨学金では卒業後の返済に苦しむ人もいるということです。

文部科学省がことし、大学4年生3000人を対象に行った調査では大学院への進学を希望する学生の4割が「出世払い型奨学金」を「利用したい」と回答したということです。
検討会議は、年末をめどに「出世払い型奨学金」の内容について最終的な取りまとめを行う方針です。
検討会議は、年末をめどに「出世払い型奨学金」の内容について最終的な取りまとめを行う方針です。
「出世払い型奨学金」海外では
在学中に授業料を徴収せず、卒業後の所得に応じて支払ってもらう「出世払い型奨学金」は、海外でも導入されています。
文部科学省によりますと、オーストラリアは1989年にそれまで無償だった大学教育を有償化することに伴い導入しました。卒業後、年間の所得などが460万円を超えた場合、1%から10%までを授業料として源泉徴収します。
2006年に導入したイギリスでは年収が440万円を超えた場合超えた額の9%を源泉徴収するということです。ただ、支払い開始から30年が過ぎると徴収されなくなります。
日本の現在の奨学金制度では、学力や世帯の所得など一定の要件がありますが、オーストラリアやイギリスで導入されている「出世払い型奨学金」では、所得などの要件はなく、学生全員が利用できる仕組みです。
一方、返済されない奨学金の割合はオーストラリアはおよそ15%、イギリスは30%から45%と推計されています。
日本では3か月以上滞納された奨学金の割合はおととしの時点で2.8%でした。こうした返済のあり方も議論の焦点となりそうです。
文部科学省によりますと、オーストラリアは1989年にそれまで無償だった大学教育を有償化することに伴い導入しました。卒業後、年間の所得などが460万円を超えた場合、1%から10%までを授業料として源泉徴収します。
2006年に導入したイギリスでは年収が440万円を超えた場合超えた額の9%を源泉徴収するということです。ただ、支払い開始から30年が過ぎると徴収されなくなります。
日本の現在の奨学金制度では、学力や世帯の所得など一定の要件がありますが、オーストラリアやイギリスで導入されている「出世払い型奨学金」では、所得などの要件はなく、学生全員が利用できる仕組みです。
一方、返済されない奨学金の割合はオーストラリアはおよそ15%、イギリスは30%から45%と推計されています。
日本では3か月以上滞納された奨学金の割合はおととしの時点で2.8%でした。こうした返済のあり方も議論の焦点となりそうです。