阪神 糸井嘉男 現役引退を表明「やりきりました」

プロ野球の3球団で走攻守三拍子そろった外野手として活躍した阪神の糸井嘉男選手が13日、会見に臨み「やりきりました。41歳まで野球ができて幸せです」と述べて、今シーズンかぎりで現役を引退することを表明しました。

糸井選手は京都府出身の41歳。日本ハム、オリックス、阪神の3球団でプレーし、打率3割を9回記録、首位打者などのタイトルのほか、ベストナインに5回、ゴールデン・グラブ賞にも7回選ばれるなど、走攻守三拍子そろった外野手として活躍しました。
しかし、この3年間はけがもあって出場機会が減り、今シーズンはここまで61試合の出場にとどまっていました。

糸井選手は13日午前、兵庫県西宮市で記者会見に臨み「やりきりました。41歳まで野球ができて幸せです」などと述べて、今シーズンかぎりで現役を引退することを表明しました。
また、引退を決断した理由については「この2、3年は引退ということが常に頭にあり、周りから見ているのと自分で感じることの誤差を感じていた。若手選手にアドバイスをして、試合でホームランを打ったのを見て心の底からうれしくなり、『それはもう選手じゃないのかな』と感じた」などと述べました。

日本ハムに入団後、ピッチャーから野手に転向し、活躍できたことについては「野手になる決断をした時とそこからの出来事は選手として誇れると思う。あの時必死にやった練習が土台となって19年間も続けられたと思う」と振り返りました。
そのうえで、現役生活最後の球団となる阪神のファンに向けて「タイガースに来てファンに受け入れていただいて、あの大声援の中でプレーできたのは幸せで、本当に感謝しています。これからはメガホンを持って一緒に応援したい」と笑顔を見せて話していました。
糸井選手の引退試合は、甲子園球場でのシーズン最終戦となる今月21日に予定されています。

糸井選手とは

糸井選手は平成16年に日本ハムにピッチャーとして入団しましたが、2年後に野手に転向して走攻守三拍子そろった外野手として活躍しました。
平成25年にトレードでオリックスに移籍し、平成29年からはFA=フリーエージェントで移籍した阪神でプレーしました。
ここまでプロ19年間で打率3割を9回記録し、
▽首位打者と盗塁王を1回
▽最高出塁率のタイトルを3回獲得し
▽ベストナインに5回
▽ゴールデン・グラブ賞にも7回選ばれました。
しかし、おととし以降は足のけがなどの影響で100試合以下の出場にとどまり、再起をかけた今シーズンは開幕戦でホームランを打つなどの活躍をみせましたが、その後は代打での起用が増えていました。

先月9日に新型コロナウイルスの影響で1軍の出場選手登録を外れて以降は1軍での出場は無く、今シーズンはここまで61試合に出場して打率2割2分2厘、ホームラン3本の成績でした。