ウクライナ軍 東部ハルキウ州ほぼ全域を奪還か ロシア軍守勢に

ウクライナ軍は、東部ハルキウ州で大規模な反転攻勢を続けていて、州内のほとんどの地域をすでに奪還したという分析も出ています。イギリス国防省は、ロシア軍が守勢に追い込まれていると指摘しています。

ウクライナ軍が、東部ハルキウ州で反転攻勢を続ける中、ロシア国防省は10日、州内の重要拠点イジューム周辺に展開する部隊について「再配置を決めた」と発表し、イジュームからの撤退を事実上、表明したと受け止められています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は11日「ウクライナ軍が急速な反転攻勢によって、ハルキウ州のほぼ全域を奪還し、ロシアの作戦に大きな敗北をもたらした。ウクライナの成功は、欧米から供与された兵器を最大限活用し、巧みな軍事作戦を実行したことにある」とする分析を公表しました。

そして「戦争研究所」は、ウクライナ軍がイジュームも奪還したと指摘したうえで「ロシアが、東部ドネツク州の全域を掌握するという目的を達成できる見通しがなくなった」としています。

また、イギリス国防省は12日、ロシア軍がハルキウ州だけでなく南部ヘルソン州でも、ウクライナ軍から物流拠点の橋の攻撃を受け補給面で苦戦していると指摘しました。

そのうえで「ロシア軍の大部分の部隊は、急きょ防衛を優先させることを余儀なくされている可能性が非常に高い。ロシア軍の上層部の指揮官に対する信頼は、さらに悪化するだろう」として、ロシア軍が守勢に追い込まれていると指摘しています。