
ザポリージャ原発 安全のため稼働中の原子炉停止させ冷却へ
ウクライナの原子力発電公社は、相次ぐ砲撃で外部電源を喪失した状態のザポリージャ原子力発電所について、送電線の一部が復旧し、電力の供給を受けることが可能になったと明らかにしたうえで、安全のため唯一稼働していた原子炉を停止させ冷却する措置を取ると発表しました。
ウクライナの原子力発電公社エネルゴアトムは11日、相次ぐ砲撃で送電線などが損傷し外部電源を喪失した状態のザポリージャ原発について、10日夜、送電線の一部が復旧し外部から電力供給を受けることが可能になったと発表しました。
そのうえで、エネルゴアトムは、6基の原子炉のうち唯一稼働している6号機を停止させ原子炉を冷却することを決めたと発表しました。
安全な状態にするためだとしています。
また、IAEA=国際原子力機関も、原発と近くの火力発電所を結ぶ送電線が復旧したことを受けて、11日朝に原子炉を停止したとウクライナ側から連絡を受けたことを明らかにしました。
6号機は、外部電源を喪失したことを受け、出力を下げたうえで運転を続け、発電所の施設内で必要な電力を供給していました。
エネルゴアトムは、砲撃が相次ぐ中、原発と外部を結ぶ送電線が再び被害に遭うリスクが高く、そうなれば原子炉の冷却などに必要な電力は非常用のディーゼル発電機で賄うことになるとしています。
このため、エネルゴアトムは「原発が危機的な状況に陥らないようロシア側の砲撃が停止され、原発が非武装化されることが必要だ」として、攻撃の停止を求めています。