コロナの5類への引き下げ「現時点で現実的でない」 加藤厚労相

新型コロナの感染症法上の扱いを、季節性インフルエンザと同じ位置づけに引き下げるかどうかについて、加藤厚生労働大臣は「現時点では現実的ではない」としたうえで、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る中で、必要に応じて見直しを検討する考えを示しました。

感染症法では、重症化リスクなどに応じて、感染症を「1類」から「5類」に分類していますが、新型コロナは「2類相当」と位置づけられ、感染拡大を防ぐための厳格な対応が取られています。

加藤厚生労働大臣は閣議のあとの記者会見で「オミクロン株は特に高齢者で致死率、重症化率がインフルエンザよりも高く、現時点で、新型コロナの感染症法上の位置づけを変更することは現実的でない」と述べ、改めて、今の段階での5類への引き下げに慎重な考えを示しました。

そのうえで「ウィズコロナの新たな段階への移行を着実に進めているが、重症化リスクのある高齢者などを守ることに重点を置き、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る中で、必要に応じて見直していく」と述べました。

また、加藤大臣は専門家から新型コロナとインフルエンザの同時流行のおそれが指摘されていることについて「そうした事態を想定しながら対策を考えることが必要だ」と述べ、高齢者を中心にインフルエンザの予防接種を進めていく考えを示しました。