北朝鮮 核兵器使用の法令採択 キム総書記「絶対に核放棄せず」

北朝鮮の最高人民会議は、8日、核兵器について使用の原則や条件などを盛り込んだ法令を採択しました。演説を行ったキム・ジョンウン(金正恩)総書記は「核保有国としての地位が不可逆的になった」としたうえで「絶対に核を放棄することはできない」と強調し、アメリカに対抗して、戦術核を含む核開発をさらに進めていく姿勢を鮮明にしました。

北朝鮮の最高人民会議は2日目の8日、核兵器について使用の原則や条件など11の項目からなる法令を採択しました。

具体的には、
▽最高指導者が担っている国務委員長が核兵器に関するすべての決定権を持つことや、
▽指揮統制システムが敵の攻撃によって危機にひんした場合、自動的かつ即時に敵への核攻撃を断行すること、
それに、
▽外部の核脅威などを常に評価し、それに応じて核兵器を質・量ともに強化することなどが盛り込まれています。

国営の朝鮮中央テレビは、キム・ジョンウン総書記が8日に演説を行ったもようを、建国記念日の9日に放送しました。

この中で、キム総書記は「核兵器政策の法制化によって、核保有国としての地位が不可逆的になった」と述べました。

そして「アメリカのねらいは、究極的には核を放棄させ、われわれの政権を崩壊させようとすることだ」と述べ、アメリカに対する不信感をあらわにしました。

そのうえでキム総書記は「先に非核化することはない。絶対に核を放棄することはできない」と強調し、アメリカに対抗して、戦術核を含む核開発をさらに進めていく姿勢を鮮明にしました。

「核兵器政策」に関する法令とは

北朝鮮の最高人民会議で8日に採択された「核兵器政策」に関する法令は、11の項目からなります。

まず、核兵器に関する権限については「国務委員長の唯一の指揮に服従する。国務委員長がすべての決定権を持つ」とし、キム・ジョンウン総書記が担っている国務委員長に権限を集中させています。

そして、戦争の抑止が核兵器の基本使命だとしたうえで、核兵器の使用については「指揮統制システムが敵の攻撃によって危機にひんした場合、自動的かつ即時に敵への核攻撃を断行する」としています。

具体的には、核兵器や大量殺りく兵器による攻撃のほか、国家指導部と核兵器の指揮機関、国の重要戦略対象に対する攻撃が、行われたり差し迫ったりしたと判断した場合を挙げ、核兵器を先制攻撃に使用することも排除していません。

さらに「外部の核脅威と、核兵器をめぐる国際的な情勢の変化を恒常的に評価し、それに応じて核兵器を質・量ともに強化する」として核開発をさらに推し進めていく姿勢を明確に盛り込んでいます。

松野官房長官「断じて容認できず」

松野官房長官は、閣議のあとの記者会見で「北朝鮮による核・ミサイル開発は、わが国や国際社会の平和と安全を脅かすものであり断じて容認できない。引き続き必要な情報の収集や分析、警戒監視に全力を挙げるとともに、北朝鮮の完全な非核化に向け、日米や日米韓で緊密に連携していく」と述べました。