米 ブリンケン国務長官 キーウ訪問でゼレンスキー大統領と会談

アメリカのブリンケン国務長官は、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナの首都キーウを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談しました。
ウクライナ軍が各地で反転攻勢を強める中、ウクライナなどに対し、あわせて28億ドル、日本円にして4000億円規模の軍事支援を表明し、領土奪還に向けて支える姿勢を強調しました。

アメリカのブリンケン国務長官は8日、ウクライナの首都キーウを事前に発表することなく訪問し、ゼレンスキー大統領と会談しました。

会談の中でブリンケン長官は、ウクライナ軍が南部ヘルソン州や東部ハルキウ州などで反転攻勢を強めていることを念頭に、「いまが重要な局面だ。ロシアの軍事侵攻は6か月以上続いているが、ウクライナ軍の反撃はいまも続き、成果を上げている」と述べました。

その上で、砲撃に使うりゅう弾砲や高機動ロケット砲システムのロケット弾など、合わせて6億7500万ドル、日本円にしておよそ970億円相当の新たな軍事支援を行うと直接、伝え、領土奪還に向けて支える姿勢を強調しました。

これに対し、ゼレンスキー大統領は「アメリカが、ウクライナとともにあるという非常に重要なシグナルだ。われわれにとっては、領土を取り戻せるという保証だ」と応じました。

また、ブリンケン長官はこの支援とは別に、ロシアの脅威にさらされているとして、ウクライナや隣国のモルドバなど19か国に対し、22億ドルの軍事支援を行うと発表し、今回表明した支援額の総額は日本円にして4000億円規模に上ります。

一方、ドイツ西部のアメリカ軍の基地では8日、およそ50か国の国防相らが参加してウクライナへの軍事支援を協議する国際会合が開かれました。

この中で、アメリカ軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長はウクライナ軍が高機動ロケット砲システムで400以上の標的を攻撃したと明らかにし、「甚大な効果を上げており、ロシア側の補給路などがひどく損なわれている。ロシア軍の指揮統制は混乱し、部隊への供給などに大きな困難をきたしている」と指摘しました。