新型コロナ 入国者から未報告変異ウイルス確認 感染力など注視

新型コロナウイルスのオミクロン株の一種で、海外でもこれまでに報告されていないタイプの変異ウイルスが、先月、海外から日本に到着した人で検出されたと、国立感染症研究所が発表しました。感染力などは分かっておらず、注視していくとしています。

国立感染症研究所によりますと先月下旬、ベトナムへの渡航歴があり、日本に到着した3人から、オミクロン株の一種で、これまでに報告されていないタイプの変異ウイルスが検出されたということです。

この変異ウイルスはオミクロン株の「BA.2.3.2」という系統によく似ていて、細胞に感染するときの足がかりとなるスパイクたんぱく質に「L452R」などの変異が加わっているほか、免疫の反応に影響する可能性のある変異もあるということです。

世界的にも報告はないため、感染力や重症度について詳しいことは分かっておらず、研究所は海外の研究機関などとも議論して、各国での検出状況などについて注視する必要があるとしています。

研究所の齋藤智也感染症危機管理研究センター長は「特殊な変異が入ったウイルスは多く見つかっていて、必ずしもすべてが増えていくわけではないが注視していく」と話しています。