元首相銃撃 容疑者伯父“教会に非情さ感じ怒り募らせ犯行に”

安倍元総理大臣が奈良市で演説中に銃で撃たれて死亡した事件から2か月となるのを前に、逮捕された容疑者の伯父がNHKのインタビューに応じ、母親が旧統一教会に多額の献金をして家族が困窮し、兄が自殺に至ったことなどが事件の背景にあると語りました。

ことし7月8日、奈良市で演説をしていた安倍元総理大臣が銃で撃たれて死亡した事件から2か月となるのを前に、逮捕された山上徹也容疑者(41)の伯父が自宅でNHKのインタビューに応じました。

伯父によりますと、山上容疑者の母親は「世界平和統一家庭連合」、旧統一教会に多額の献金をしていて、事件の背景には容疑者の家庭を困窮する状態に追い込んだ旧統一教会が、その後も手を差し伸べなかった非情さがあるなどと語りました。

伯父によりますと、幼いころに父親を亡くした容疑者は、子どものころ、母親と兄と妹の4人で暮らしていましたが、きょうだいは仲がよく一緒に遊んでいたということです。

一方、兄は小児がんを患い、治療する中で片方の目を失明するなどして母親が看病にあたり、容疑者が妹の父親代わりになって面倒をみていたということです。

そうした中、母親は旧統一教会に入信し、父親の死亡保険金など、合わせて1億円を献金するなどして家庭は困窮していったといいます。

その後、容疑者は自宅を離れて海上自衛隊に勤務し、伯父は18年前ごろの残された家庭の様子について、「容疑者の兄からSOSの電話があった。母親は信仰で韓国に行って帰ってこず、電気代も払っていない状況で、家の冷蔵庫は空っぽで食べ物はつき、台所には洗い物が積まれているような状態だった」と説明しました。

容疑者はこうした状況を知り、みずからの死亡保険金を兄と妹の生活費にしようと、自殺を図ったといいます。

自殺未遂をきっかけに旧統一教会から寄付という形で、合わせて5000万円の返金があったものの、母親の信仰は続きました。

返金が終わると収入が途絶え、生活もままならなくなり、兄は、病状が悪化しましたが病院にも行けず、みずから命を絶ったということです。

伯父は「兄の葬式の時に徹也が遺体に覆いかぶさって大泣きしたというのが、今回の事件のいちばんのおおもとにある」としています。

そのうえで「生活ができないほど困窮状態に追い込んだことを知りながら、旧統一教会が手を差し伸べなかったことに非情さを感じて、怒りを募らせ犯行に至ったのではないか」と語りました。

伯父は、母親が行った献金には父親の死亡保険金が含まれ、子どもたちが受け取る権利があるとして、旧統一教会に対し返金を求めています。

現在、容疑者の刑事責任能力を調べる精神鑑定が行われていますが、伯父は「徹也は精神的にもしっかりして考えを持っていると思う。刑を軽くするようには求めないが、刑罰については司法の判断に任せたい」と話していました。