ロシア 兵器の供給不足か “イランや北朝鮮から兵器を調達か”

ウクライナ軍は、ロシア側に支配されていた地域の奪還を目指し、南部を中心に反転攻勢を続けています。一方、ロシアはウクライナの戦闘で兵員や装備品の損失が深刻化しているとみられ、欧米と対立するイランや北朝鮮から兵器の調達を進めているとも指摘されています。

ウクライナを軍事侵攻するロシアの国防省は6日、巡航ミサイル「カリブル」で攻撃し、東部ドニプロペトロウシク州で燃料庫を破壊したと発表しました。

これに対し、ウクライナ軍は、南部ヘルソン州を中心に反転攻勢を続け、ロシアに支配されていた南部と東部の複数の集落を解放したと強調しています。

イギリス国防省は6日、ヘルソン州でロシア軍の無人機の出撃回数が先月と比べて、大きく減っていると指摘しました。

その要因として欧米の制裁によってロシアで無人機の部品が不足していることなどを挙げ「無人機の運用が限られ、ロシア軍の作戦に影響が出ている」と分析しています。

一方、アメリカ政府は、ロシアと友好関係にあるイランが、ロシアに対して数百機の無人機の供与を進めていると懸念を示しています。

また、アメリカ政府高官は6日、記者団に対し「ロシアは北朝鮮から数百万発のロケット弾や砲弾の購入を進め、ウクライナで使用しようとしている」と明らかにしました。

そのうえで、この高官は「ウクライナにいるロシア軍が兵器の供給不足に陥っていることを示すものだ。ロシアは北朝鮮からさらなる兵器の購入を進める可能性がある」として、注視する考えを示しました。

また、アメリカ国防総省のライダー報道官も6日、記者会見で、「われわれはロシアが砲弾を求めて北朝鮮に接触したという情報を持っている。これは物資の供給や維持の能力について、ロシアの置かれた状況を示すもので、北朝鮮に接触したという事実は何らかの課題を抱えていることの現れだ」と指摘しました。


こうした中、ロシア大統領府のペスコフ報道官は記者団に対し「ウクライナでの軍事作戦への参加を望む市民にこれまで通りの仕事が保証されるよう、大統領は政府に指示するだろう」と説明しました。

これについてアメリカのシンクタンク、「戦争研究所」はロシア軍は兵員不足が深刻化していて、志願兵の確保に向けてプーチン政権の中枢にあたる大統領府が直接、動き始めていると指摘しています。