カナダ 住民刺される事件相次ぐ 少なくとも10人死亡 15人けが

カナダ中部の複数の場所で、住民が刃物のようなもので相次いで刺される事件が起き、これまでに少なくとも10人が死亡、15人がけがをしました。容疑者2人は現場から車で逃走していて警察が行方を捜査しています。

カナダ中部サスカチワン州の警察によりますと、4日午前5時40分ごろ、住民が刃物のようなもので刺されたという最初の通報が入りました。

その後、数時間にわたって同じような通報が相次ぎました。

警察の調べによりますと、住民が刺された現場は先住民の人たちが多く暮らすジェームズ・スミス・クリー・ネーション地区と、そこから南西におよそ25キロ離れたウェルドン村で合わせて13か所にのぼり、これまでに少なくとも10人が死亡、15人がけがをして病院で手当てを受けました。

容疑者2人は現場から車で逃走していて、警察は記者会見で31歳と30歳の男2人の顔写真を公開し、行方を捜査しています。

また、警察は、被害者のうち数人は容疑者に狙われて刺され、それ以外の人は無差別に襲われたという見方を示していて、事件のいきさつについても調べています。

容疑者とみられる不審な男と接触した住民は

カナダの公共放送CBCは、容疑者とみられる不審な男と接触した複数の住民のインタビューを伝えています。

男から話しかけられたという女性は「顔を覆った男が歩いてきて、口を刺されてけがしているので病院に連れて行ってほしいと言った。私が、けがを見せてと言うと男は『ダメだ。本当にひどいけがなんだ』と言っていた」と証言しました。

また、別の女性は「朝起きてコーヒーを飲んでいたら、家のそばを車が通り過ぎていった。しばらくすると顔を何かで覆った男が近づいてきて、『顔を切ってしまったので助けてほしい』と話しかけてきた。誰かを呼ぼうと私が家の中に入ったあと、彼はどこかへ立ち去ってしまった。不審に思って警察に通報した」と話していました。

カナダ警察会見 無差別に襲われた人もいるとの見解

警察当局は会見を開き、犠牲者は容疑者に狙われた人もいますが無差別に襲われた人もいるとの見解を示しました。

男2人は車で現場から立ち去り現在も逃走中で、凶器を携帯しているとみられています。

警察は住民に外出しないよう警戒を呼びかけるとともに、2人にすぐに出頭するよう求めています。

サスカチワン州とは

カナダ中部にあるサスカチワン州は、西側にアルバータ州、南側に国境を隔ててアメリカモンタナ州などと接し、州全体の面積は65万1900平方キロメートル、人口は、およそ120万です。

アルバータ州 カルガリーにある日本総領事館によりますと、サスカチワン州は農業や鉱業が盛んで、およそ500人の在留邦人がいます。

また、少なくとも人口のおよそ1割にあたる11万人以上が先住民とされていて、ロイター通信によりますと、事件現場とみられるまちの1つは先住民のコミュニティーがあることで知られています。

カナダ トルドー首相「恐怖を感じ心を痛めている」

事件を受けてカナダのトルドー首相はSNS上に「きょう起きた事件に恐怖を感じ、心を痛めています。大切な人を亡くした人、負傷した人のことを思っています」とコメントしています。

外務省 在留邦人などに注意喚起

外務省は、カルガリーにある総領事館などを通じて情報収集を進めていて、現在のところ、日本人の被害は確認されていないということです。

また、外務省は今回の事件を受けて、現地に滞在している日本人などに注意喚起のメールを送り、不審な人物に近寄らないことや、ヒッチハイクをしている人を車に乗せないこと、それに、報道などを通じて関連情報を入手することを呼びかけています。

カナダ 過去の死者多数の事件は

カナダではおととし4月に東部ノバスコシア州で男が車で移動しながら複数の場所で銃を発砲し、少なくとも19人が死亡する事件が起きています。

また、5年前には東部ケベック州にあるイスラム教の礼拝施設モスクで男が銃を発砲して6人が死亡する事件が起きたほか、8年前には西部アルバータ州の2軒の住宅で子どもを含む合わせて8人が銃で撃たれて殺害される事件が起きています。