ロシアで国際経済会議 中国などと連携強調 欧米対抗のねらいか

ウクライナへの軍事侵攻をめぐり欧米がロシアに厳しい制裁を科すなか、ロシア極東のウラジオストクでは5日、プーチン大統領も出席する国際経済会議が開幕します。
プーチン政権としては、中国などとの連携を強調することで国際的に孤立していないと内外に示し、欧米に対抗するねらいがあるとみられます。

ロシア極東のウラジオストクでは、5日から4日間の日程でロシア政府主催の「東方経済フォーラム」が開催され、60以上の国と地域から企業の代表や政府関係者の参加が見込まれているということです。

ことしのテーマは「多極化する世界への道」で、フォーラムの期間中、ロシアは▽中国とロシアが主導する枠組みの上海協力機構や、▽ASEAN=東南アジア諸国連合に加盟する各国との経済連携の強化などに向け意見を交わす予定です。

ロシアのプーチン大統領は開幕に先立ちメッセージを公開し「時代遅れの一極集中モデルは、新しい世界秩序に取って代わられようとしている」として、アジア太平洋地域、とりわけ中国を重視する姿勢を鮮明にしています。

ウクライナへの軍事侵攻をめぐり欧米がロシアに厳しい制裁を科すなか、プーチン政権としては、会議を通じて中国などとの連携を強調することで、国際的に孤立していないと内外に示し、欧米に対抗するねらいがあるとみられます。

中国 共産党の序列3位 栗戦書委員長が出席へ

中国国営の新華社通信によりますと、ウラジオストクで開催される「東方経済フォーラム」には、中国から共産党の序列3位で全人代=全国人民代表大会の栗戦書委員長が出席するということです。

栗委員長は7日に開かれる「東方経済フォーラム」の全体会合に出席し、その後、今月17日にかけてモンゴル、ネパール、韓国も訪れるということです。

中国では習近平国家主席をはじめ、共産党の最高指導部のメンバーは、おととし、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大して以降、海外への訪問を控えてきました。

中国としては、新型コロナの感染拡大以降、もっとも高い序列の人物をロシアに訪問させることで、台湾情勢などを巡ってアメリカとの緊張が高まる中、ともにアメリカと対立するロシアとの関係を重視する姿勢を示すねらいがあるとみられます。