OPECプラス 原油 減産か据え置きか 5日に生産量決める会合

サウジアラビアやロシアなどの主な産油国で作る「OPECプラス」は5日、今後の原油の生産量を決める会合を開きます。
国際的な原油価格が下落傾向にあるとしてサウジアラビアなどが減産の可能性を示唆する一方、先行きが見通しにくいことなどから生産量を据え置くのではないかとの見方も出ています。

サウジアラビアが主導するOPEC=石油輸出国機構とロシアなどの非加盟の産油国で作るOPECプラスは5日、来月以降の生産量を決める会合をオンライン形式で行います。

国際的な原油取り引きの指標となるWTIの先物価格はロシアのウクライナ侵攻のあと一時、1バレル=130ドルを超えましたが、先月には世界的な景気の減速懸念から一時、1バレル=85ドル台まで値下がりしています。

産油国は、こうした原油価格の下落傾向に警戒を強めており、先月22日、サウジアラビアのエネルギー相がOPECプラスが減産する可能性があると示唆したのに続き、イラクなど他の産油国からも支持する発言が相次いでいます。

一方、世界経済の先行きが見通しにくいことや記録的なインフレに見舞われているアメリカなどとの対立を避けるねらいなどから産油国は生産量を据え置くのではないかとの見方も出ており、会合の結果が注目されます。

OPECプラス 原油需要の動向みて生産調整

サウジアラビアが主導するOPEC=石油輸出国機構とロシアなど非加盟の産油国は「OPECプラス」と呼ばれるグループを作り、原油需要の動向を見ながら原油の生産量を調整しています。

OPECプラスはおととし4月、日量970万バレルの大規模な減産を行うことで合意し、国際的な原油価格を下支えしてきました。

その後、新型コロナウイルスの影響で一時落ち込んだ世界の原油需要が増加しているとして、去年7月、原油の生産量を段階的に増やしていくことで合意しました。

生産量を去年8月以降は毎月、日量およそ40万バレルずつ増やし、ことし5月から6月は日量43万2000バレルに増産幅を拡大。

さらにエネルギー価格高騰でインフレに苦しむ欧米からの要請を受けて6月30日の会合では、9月に予定していた増産分を前倒しして、7月と8月は増産幅を日量64万8000バレルと拡大しました。

一方、欧米の積極的な利上げで世界経済が減速し、原油の需要が低迷するとの見方から、原油価格は下落傾向です。

アメリカのバイデン大統領がことし7月に中東を訪問し原油増産を働きかけたことを受けて増産は決めたものの、今月は日量10万バレルと僅かな量にとどめました。