ザポリージャ原発5号機 再び停止 双方が相手の攻撃と非難

ロシア軍が掌握するウクライナのザポリージャ原子力発電所について、IAEA=国際原子力機関は、稼働中の原子炉のうち1基が再び運転を停止したと発表しました。ウクライナとロシアの双方が、相手の攻撃によるものだと互いに非難していて、安全性への懸念が続いています。

ウクライナ南東部にあり、ヨーロッパ最大級のザポリージャ原子力発電所について、IAEAは、3日、稼働中の2基の原子炉のうち、5号機の運転が停止したと発表しました。

5号機は、9月1日にも砲撃によって運転を停止し、2日に運転を再開したばかりでしたが、再び停止する事態となりました。

現在は、残る6号機で、原子炉の冷却のための電力や一般家庭向けの電力の生産を行っているということです。

また、原発につながる4系統の送電線のうち、これまで失われていなかった最後の1系統も断絶したということですが、予備の送電線を通じて、外部への電力供給を維持しているということです。

これについて、ウクライナの原子力発電公社「エネルゴアトム」は、ロシア軍の砲撃で5号機が停止したとする一方、ロシア側は、ウクライナ側が原発を攻撃したと主張し、依然として、双方が相手の攻撃だと互いに非難しています。

ザポリージャ原発では、IAEAの専門家チームが原発の安全確保に向けて、今月1日から調査を行っていますが、安全性への懸念が続く中、順調に監視活動が継続できるのか危ぶまれています。