ウクライナ軍 支配地域奪還へ一定の成功の見方も 攻防激化

ウクライナ軍は、先月下旬からヘルソン州など南部を中心に反転攻勢を続けています。この攻勢で、ウクライナ軍が一定の成功をおさめたという見方も出ていて、双方の攻防が激しくなっています。

ウクライナに侵攻するロシア軍に対し、ウクライナ軍は、ヘルソン州など南部を中心に、先月29日から支配された地域の奪還に向け新たな攻勢を始めています。

ロシア国防省は3日「ウクライナは失敗を続け、戦車や戦闘機、兵士など多くの損害を受けた」として、ウクライナ軍を撃退しているとする主張を繰り返しています。

一方、ウクライナ空軍は、南部に面する黒海からロシア軍が発射した巡航ミサイル「カリブル」5発を迎撃したと公表し、双方の攻防が激しくなっています。

イギリス国防省は「ウクライナ軍はロシアが占領するヘルソン州の3つの方面に攻撃を集中させ、戦術的な奇襲はある程度、成功した可能性が高い」と分析したうえで、ロシア軍は追加部隊をどこに配備するか判断を迫られていると指摘しています。

一方、ロシア軍が掌握するウクライナ南東部のザポリージャ原子力発電所では原発の安全を確保するため、IAEA=国際原子力機関の調査が1日から続いています。

IAEAは、専門家2人を常駐させる方針ですが、原発やその周辺では断続的に砲撃が続いているとみられ、IAEAの監視活動を継続できるかが焦点です。

こうした中、ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領が3日、電話で会談し、トルコ大統領府は「エルドアン大統領は穀物輸出の合意と同様にザポリージャ原発でも間に立つことができると述べた」として、原発の安全確保に向けた仲介にも意欲を示したと明らかにしました。

両首脳は、今月15日からウズベキスタンで開かれる、中国とロシアが主導する枠組み、上海協力機構の首脳会議にあわせて会談する予定とされ、ザポリージャ原発についても意見を交わす可能性があるとみられます。