ロシア “第2次大戦終結の日”式典 北方領土で軍のパレードも

ロシアでは第2次世界大戦終結の日とする3日、極東各地で式典が行われ、ロシアが事実上管轄する北方領土でも軍によるパレードなどが行われたほか、北方領土での軍事演習の映像が公開されました。ロシアはウクライナへの軍事侵攻後、欧米側と経済制裁などで歩調を合わせる日本に対して、強硬な姿勢を強めています。

ロシアは「第2次世界大戦終結の日」をおととしからソビエト時代に「対日戦勝記念日」として祝日になっていた9月3日に変更し、対日戦の勝利を強調する式典を行っています。

3日は、極東のサハリン州やサハリン州が事実上管轄する北方領土の島々で式典が行われ、択捉島ではロシア軍の兵士などがパレードを行いました。

式典では、地域の代表が「9月3日、ついにサハリン南部と島々は永遠に祖国ロシアに戻った」と主張し、大戦の結果、北方領土はロシアの領土になったとする立場を強調しました。
また、ロシア国防省は3日、極東で行っている軍事演習「ボストーク」の一環として、択捉島と国後島で実施したとする演習の映像を公開しました。

演習では、海岸から上陸を試みる敵を想定した銃撃訓練などが行われたとしています。
日本政府はことし、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を踏まえ、北方領土について「ロシアが不法に占拠している」との立場を鮮明にしていて、軍事演習の実施をめぐっても北方領土を除外するよう強く求めていました。

日本は欧米側とともに侵攻を続けるロシアへの経済制裁を強めるなどしていますが、ロシアは日本を「非友好国」に指定し、北方領土をめぐっても強硬な姿勢を強めています。

ロシア国防省 日本海での演習映像を公開 中国との連携強化示す

ロシア国防省はロシア軍と中国軍が日本海で共同で行ったとする軍事演習の映像を3日公開しました。

軍事演習は、ロシアが今月1日から7日までの日程でロシア極東地域や日本海などで行っている大規模軍事演習「ボストーク」の一環として行われました。

ロシア国防省は、演習ではロシア軍と中国軍が共同で敵の艦艇を見つけ攻撃を行う訓練や、通信の訓練などを行ったとしています。

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を続ける中で行われている今回の「ボストーク」は参加する兵士などの数が前回と比べて大幅に減っていますが、ロシアはともにアメリカと対立する中国との連携を一層強化する姿勢を見せています。