ザポリージャ原発 IAEA事務局長 専門家を常駐させる方針示す

ロシア軍が掌握するウクライナのザポリージャ原子力発電所について、IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は2日、原発の安全を確保するため、専門家を現地に常駐させる方針を示しました。

IAEAの専門家チームは、ロシア軍の部隊が展開するウクライナ南東部のザポリージャ原発に今月1日から入って調査を進めています。

チームを率いたグロッシ事務局長は2日、IAEAの本部があるオーストリアのウィーンに戻って記者会見し「IAEAが現場で何が起きているかを確認することは、事態の安定化に向けて重要な効果がある」と述べ、6人の専門家が現地にとどまり、2人が来週以降も常駐する方針を示しました。

一方、原発を運営するウクライナの原子力発電公社エネルゴアトムは2日「ロシア側は兵士のいる危機管理の施設に専門家が立ち入ることを認めなかった」として、IAEAは公平に評価するのが難しい状況に置かれているという見方を示しました。

これに対してグロッシ事務局長は「見せてほしいと頼んだ場所を見ることができた」と述べ、独立した調査ができているという認識を示し、来週前半に報告書をまとめるとしています。

ザポリージャ原発について、ウクライナのゼレンスキー大統領は2日「原発の安全を確保しヨーロッパを守るためには原発の非武装化がカギになる」と述べ、ロシア軍の部隊を撤収させて非武装化し、原発をウクライナの管理下に完全に移すことが不可欠だという考えを重ねて強調しました。