【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(3日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる3日(日本時間)の動きをお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシアは愛国教育強化 学校で国旗掲揚と国歌斉唱義務づけ

ロシアのプーチン政権は愛国教育を強化しています。

ロシア政府は、新しい学年が始まった今月から愛国心を育むためだとして、毎週月曜日に、学校での国旗の掲揚と国歌の斉唱を一斉に義務づけたほか「大切なことを話そう」という名の授業を新たに設け、ロシア独自の歴史観などを教えていくとしています。

今月1日、首都モスクワ市内の学校で行われた始業式では、国歌とともに国旗掲揚が行われ、新入生たちが真剣な表情で見つめていました。

生徒の1人は「今の時代に愛国心を育むことは、とても重要です。現状についてはさまざまな意見がありますが、祖国への忠誠心を持ち続けることが必要だ」と話していました。

プーチン大統領自身も1日、各地から集められた子どもたちを前に特別授業を開き、ウクライナ侵攻を重ねて正当化したあと、出席した子どもたちとともに、その場で国歌を斉唱しました。

プーチン政権としては、若者の間で軍事侵攻に否定的な意見が比較的多く聞かれる中、「愛国心を育む」という名目のもと、子どものころから政権側の主張を教え込むねらいがあるとみられます。

ザポリージャ原発 “ロシア側の妨害でIAEAは公平な評価難しい”

IAEAの専門家チームは、ロシア軍の部隊が展開するウクライナ南東部のザポリージャ原発に今月1日から入って調査を進めています。

チームを率いたグロッシ事務局長は2日、IAEAの本部があるオーストリアのウィーンに戻って記者会見し「IAEAが現場で何が起きているかを確認することは、事態の安定化に向けて重要な効果がある」と述べ、6人の専門家が現地にとどまり、2人が来週以降も常駐する方針を示しました。

一方、原発を運営するウクライナの原子力発電公社エネルゴアトムは2日「ロシア側は兵士のいる危機管理の施設に専門家が立ち入ることを認めなかった」として、IAEAは公平に評価するのが難しい状況に置かれているという見方を示しました。

これに対してグロッシ事務局長は「見せてほしいと頼んだ場所を見ることができた」と述べ、独立した調査ができているという認識を示し、来週前半に報告書をまとめるとしています。

運転停止のザポリージャ原発5号機 運転を再開

ウクライナの原子力発電公社「エネルゴアトム」は2日、前日の砲撃により運転を停止していたザポリージャ原子力発電所5号機について「送電網に接続し、出力を上げている」とSNSに投稿し、運転を再開したことを明らかにしました。

これで、稼働中の原子炉は合わせて2基になったということです。