ザポリージャ原発 IAEA専門家チームの調査続く 周辺では砲撃も

ウクライナ南東部にあるザポリージャ原子力発電所では、安全を確保するため訪問したIAEA=国際原子力機関の専門家チームの調査が続いています。一方、原発や周辺の地域では、1日も砲撃が行われ、調査が順調に進むかが当面の焦点となっています。

ロシア軍が掌握するウクライナ南東部のザポリージャ原子力発電所では、相次ぐ砲撃によって一部の施設に被害が出ていて、重大な事故につながりかねないという懸念が高まっています。

原発の安全を確保するため、IAEAのグロッシ事務局長が率いる専門家チームが1日、現地に入り、原発の施設の被害状況などを確認しました。

調査のあと、グロッシ事務局長は記者団に対し「確認したかった重要なものは見ることができた。最も重要なことは、IAEAの専門家が原発に常駐することだ」と述べ、専門家が常駐し、状況を把握することが必要だという考えを改めて示しました。

調査の日程について、ウクライナの原子力発電公社「エネルゴアトム」は、3日までの予定だとしていましたが、グロッシ事務局長は、4日か5日まで行われるという見通しを示しました。

グロッシ事務局長とIAEAの一部の専門家はすでに原発を離れましたが、現地の親ロシア派の幹部によりますと、残ったIAEAの専門家が2日も調査を行っているということです。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は1日、「大事なのは原発の非武装化だ」と述べたうえで、原発をウクライナの管理下に完全に移すことが重要だと改めて強調しました。

原発や周辺の地域では、1日も砲撃が行われ、ウクライナとロシアは互いに相手側が攻撃を行ったと非難していて、IAEAの調査が順調に進むかが当面の焦点となっています。

IAEA事務局長 オーストリアのウィーンで会見へ

IAEA=国際原子力機関は、ウクライナ南東部にあるザポリージャ原子力発電所の調査に訪れていたグロッシ事務局長が、本部があるオーストリアのウィーンに戻り、2日夜、日本時間の3日未明、ウィーンの空港で記者会見を行うと明らかにしました。

グロッシ事務局長は、IAEAの専門家チームを率いてザポリージャ原発を訪れ、原発の安全を確保するための調査を行っていて、その内容について説明するものとみられます。